染物屋さんって行ったことありますか。
私は敷居が高いと思っていたこと、そもそもどこにあるのかすら知りませんでした。
デザイン百覧会での出会い
先日、カクイックス交流センターで行われた、デザイン百覧会へ行ってきました。
そこで「亀染屋」という、明治2年創業の染物屋「亀﨑染工」の小売ブランドが目に入りました。
鮮やかなこいのぼりや大漁旗があるブースは、カラフルで、とても新鮮でした。
いちき串木野市に店舗があることを教えていただいたので……
「これは行ってみるしかない」
と早速行ってきました\( ‘ω’)/
店舗外観

訪問したのは、土曜日の午後。
SeaSevenカフェでご飯を食べた後に向かいました。

古民家を改装した店舗は、歴史を感じる外見をしています。
店内の様子


古民家の中に、これだけ鮮やかなものがたくさん並んでいると、テンションが上がります。
とても良い!
いろいろと商品を見ていたのですが、作業場も見せていただけることになりました。
作業場
一階 印染

作業場は一階と二階がありますが、まずは一階から案内していただきました。
後述しますが、ミニ大漁旗の染体験はここで行われます。


大漁旗は遠目で見ることがあっても、ここまで近くで見ることはまずありません。
せっかくなので、近くで見せていただきました。

「印染(しるしぞめ)」で作られた、この旗。
よくあるイラストと大きく違う点があります。
「主線が白」です。
印染は、まず下書きをし、そこに糊を乗せます。
糊を乗せた部分は、染まらず、布の白が残ります。
そのため、主線が白になります。
作り方が分かると、「なるほど!」と納得しました。
詳しい作り方は、亀染屋のNoteでも説明をされていますので、ぜひ読んでみてください。

糊で区切りを作り、その中を筆で丁寧に染めていきます。
作業場には、たくさんの刷毛がありました。
それらを色ごとに、広さごとに使い分けて作業をされます。
二階 シルクスクリーン

階段を上り、2階に上がるとまず出てくるのはこのスクリーンです。
2階では、シルクスクリーンという技法で染作業をされています。

シルクスクリーンは、一階で作っている印染よりも大量生産に向いています。
こうした安全第一の旗、神社にあるのぼり、手ぬぐいなどはこちらで作ることが多いそうです。

上の写真でもちらりと写っていた、作業で使うヘラです。
当たり前ですが、大きいサイズであれば、大きいものが必要となります。
そして力が必要となるので、頑丈になります。

シルクスクリーンは型を切り取って使います。
今はプロッターという機械を使いますが、以前はこうした型紙を使って、手で切り抜いていました。
写真だとわかりにくいですが、A2程度の大きさがあります。
一部は機械化されていますが、染める部分は手作業です。
生地の質、気温や湿度といった気候でも変わります。
そのため、裏にまで染まらないことも多々あるそうです。
職人さんでも難しい作業なんですね。
作業の内容を知ると、見方が変わる

作業場の見学を終えて、販売スペースに戻ってきました。
すると、来た時と比べて、商品の見方が少し変わったことを実感しました。

印染の商品であれば、作り方が少し想像できるようになりました。
本当に少しですが、「ここが糊の部分なんだな」とか「グラデーションは難しいなんだな」とか、そういう程度ですが……。

例えばこのチャームですが、一つ一つ印染で作っています。
亀を見るとわかりますが、色が違います。
頭の色が違いますし、グラデーションの感じも違います。
おそらく、作業の説明がなければ、こうした違いに気づくこともありませんでした。

茶色のトートバッグは、亀染屋の商品の一つ「KAGEROW」の布です。
商品にできなかったものを別の商品として生み出しています。

小さいものであれば、価格もお手頃ですね。
このバッジは、冒頭で紹介したお祝い旗の一部です。
ちょっとしたときに「これは印染でー」とか思い出せるので、買ってよかったです。
もっと深く知れる、染体験

亀染屋、亀崎染工では、染体験ができます。
体験は「ミニ大漁旗の染体験」と「トートバッグの型染体験」の2種類があります。
ミニ大漁旗は、時間がかかりますが、印染を実際に体験できます。
トートバッグは、時間がかからず、染め作業を体験できます。
おすすめは、やはりミニ大漁旗の方だそうです。

こういう感じで、糊で縁取りされたミニ大漁旗を、刷毛で染めていく体験です。
平日であると、1階の作業場で、作業を横目に体験作業ができます。
贅沢!
予約は電話、またはLINEでできるそうです。
今度は染体験もしてみたいです。
染物をもっと身近に感じられる

伝統工芸ということで、「敷居が高そう」と思っていた染物屋でしたが……
実際に行くと、とても敷居が低く、楽しい場所でした。

染物業界は、印刷技術の発達で、縮小傾向になっています。
ですが、大量生産できないからこその魅力があると感じました。
特に染体験は、こうした染めをしているところでしかできない体験です。
見学と体験を通すことで、染物がもっと身近になると思います。
私は、最近店の暖簾や旗を見て「これ染めかな、印刷かな…」と思うようになりました。
影響されています\( ‘ω’)/
仙厳園でレッツ染体験
2026年4月4日(土) 、4月5日(日)に仙厳園でトートバッグの染体験ができます。
- 日程: 4月4日(土) / 4月5日(日)
- 時間: 9:30~16:15 (最終受付16:00)
- 会場:仙巌園 伝統文化体験施設
- 定員:各回6名(先着申込順)
- 料金:3,300円(税込)
春の仙厳園を巡り、伝統的な染体験をしてみるのはいかがでしょうか。
店舗情報
- 住所 鹿児島県いちき串木野市旭町156-1
- 電話番号 0996-32-3053
- 営業日 金・土・日 (※平日は亀崎染工で対応可能)
- 駐車場 店舗裏手にあり
- Instagram https://www.instagram.com/kamesomeya/
