鹿児島に、仕事をしながらプロのバスケットボール選手を目指すチームがある。チーム名は「Red Monsters(レッドモンスターズ)」。B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム、鹿児島レブナイズのセカンドチームだ。
2024年4月に設立された新しいチームで、ヘッドコーチを務めるのは、鹿児島レブナイズで7シーズンにわたり活躍し、キャプテンとしてチームをけん引してきた松崎圭介さんだ。松崎さんは、チームの存続危機など苦しい時期に、コート内外で奔走し、レブナイズを支え続けてきた。その功績が評価され、松崎さんの背番号「41」は、鹿児島レブナイズ初の永久欠番に制定されている。
こうした経験を持つ松崎さんの指揮のもと、Red Monstersは設立から間もないチームながら、すでに結果を残している。2026年2月に京都で開催された、第8回全日本社会人バスケットボール選手権大会では、九州勢として初の優勝という歴史的快挙を達成。さらに、3月7日から9日に熊本県で開催された「全日本プレミアムチャンピオンシップ」では、ベスト8という結果を残した。
着実に結果を積み重ねる彼らは、今後の活躍から目が離せない存在である。今回は、これから目指していくチームの未来について、ヘッドコーチや選手たちに話を聞いた。
Red Monstersとは
Red Monstersは、2024年4月、株式会社Wiz、鹿児島レブナイズ、鹿児島県バスケットボール協会の三者による共同事業として設立された。安心してバスケットボールに打ち込める環境を整え、選手たちのキャリア形成を支援することを目的としている。
現在、チームには約13名の選手が所属。「鹿児島レブナイズのセカンドチームができる」と声をかけられて応募を決めた選手や、「仕事つきプロバスケ選手育成プロジェクト」を知り応募した選手など、県外各地から“プロを目指す”という共通の志を持ったメンバーが集まっている。

選手たちは、株式会社Wizの鹿児島支社で正社員として働きながら、日々トレーニングや練習に励んでいる。仕事とバスケットの両立は簡単ではないと思うが、その環境こそが彼らを大きく成長させているのではないだろうか。
プロを目指す上で求められるのは、技術だけではない。ヘッドコーチの松崎さんは、「長くキャリアを続けていくためには、人間性を高めることが必要」と話す。バスケットボールは、チームスポーツだ。仲間とより良い関係を築くためにも、人間性は欠かせない要素となる。仕事を通じて他者と関わりながら、社会人としての力と競技力の両方を磨いていくことができる環境が、ここにはある。
このような選手育成の在り方とともに、チームのルーツにも目を向けてみたい。実は、「Red Monsters」というチーム名は、鹿児島レブナイズの歴史と関係している。前身である「鹿児島教員クラブ」から、「鹿児島教員レッドシャークス」「鹿児島レッドシャークス」「レノヴァ鹿児島」と変遷を重ね、現在の鹿児島レブナイズへとつながってきた。その歴史の一つである「レッドシャークス」の“レッド”が、「Red Monsters」の由来である。
「第8回全日本社会人バスケットボール選手権大会」で初優勝!
毎年2月頃に開催される「全日本社会人バスケットボール選手権大会」。北海道から九州まで、各ブロック予選を勝ち抜いた代表チームが出場し、社会人バスケットボールの頂点を決める大会だ。
Red Monstersは、昨年12月に沖縄で開催された九州ブロック予選で優勝し、この大会への出場権を獲得。今年2月に京都で開催された「第8回全日本社会人バスケットボール選手権大会」に臨んだ。決勝の相手は、群馬のROYALS。試合は85対67で勝利し、見事、初優勝を果たした。

勝負の世界は、最後まで何が起こるかわからない。山西大翔キャプテンは、「協賛してくださる企業さまや個人の方々、そして応援してくださるすべての方に恩返しをするためにも、絶対に優勝したいという気持ちがあった」と振り返る。
実は、2月の大会出場に向けて協賛を募ったところ、予想を上回る多くの支援が集まった。なかには、京都まで足を運び、現地で声援を送った人もいたという。応援してくれる人がいたからこそ、彼らの「優勝したい」という強い想いを、さらに後押ししていたに違いない。
「高松宮記念杯 全日本社会人バスケットボールプレミアムチャンピオンシップ」でベスト8という快挙を達成
「全日本社会人バスケットボール選手権大会」で優勝したチームは、日本社会人バスケットボールリーグ(SBL)のチームと対戦する「高松宮記念杯 全日本社会人バスケットボールプレミアムチャンピオンシップ」への出場権を得る。SBLは、企業チームやクラブチームが参加するアマチュアリーグで、日本最高峰の「SB1リーグ」と、各地域のブロックリーグである「SB2リーグ」によって構成されている。
今年の大会は熊本で開催され、わたしも現地で試合を観戦した。会場に足を踏み入れると、Red Monstersを応援する多くの人の姿が目に入った。隣県とはいえ、高速道路を使っても2〜3時間はかかる距離だ。それでも駆けつける人がいるという事実に、このチームがどれだけ愛されているのかを実感した。


試合中、特に印象に残ったのは、コートサイドから松崎HCが「ノーファウル!」と何度も声を張り上げていた場面だ。バスケットボールでは、1ピリオドでチームファウルが5回を超えると、相手にフリースローが与えられる。ファウルが増えるほど、相手に得点のチャンスを与えてしまうことになるため、できる限り避けたい。「ノーファウル!」の一言には、試合の流れを左右する細部にまでこだわる姿勢と、チームを勝利に導こうとする強い意志が込められているように感じた。
SB1、SB2といった格上のチームを相手に勝利を収めることができ、結果は、ベスト8。その一戦一戦が、チームの現在地を示すと同時に、次なる可能性を感じさせるものだった。


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次に見据えるのは、「天皇杯」だ。プロ・アマチュアを問わず、日本バスケットボール協会に加盟するチームが日本一を目指して競い合う舞台である。Red Monstersは、8月頃に行われるファーストラウンド(都道府県ラウンド)に出場する予定だ。
プロを目指す集団として挑み続ける彼らの戦いは、まだ終わらない。その歩みの先に、どんな景色が広がっているのか。これからも目が離せない。ぜひ、多くの人に知ってもらい、一緒に応援をしてもらいたい。
Red Monsters メンバー
#2 我如古圭
#3 網干海有
#5 坂本龍平
#7 髙木銀
#11 山西大翔
#17 本間達也
#24 高野希介
#29 赤塚将輝
#33 キエキエトピーアリ
#34 髙橋颯太
#41 川上貴一
#47 新里翔
#51 安慶大樹
HC 松崎圭介
◼️Red Monsters インスタグラム
https://www.instagram.com/red__monsters_official2/?hl=ja
