また今年も、台風の季節がやってきました。離島でなくても鹿児島県民なら夏場の気になるトピックスだと思いますが、離島ではまさに死活問題。天気図に台風の卵を見つけると、いつまで船が動くか予想が始まります。三島村は今まさに台風接近によって、フェリーが止まっているので、台風時期のリアルな離島の様子をお伝えします!
台風がまだ遠くにいても、晴れていても、船って止まるんです

鹿児島市に住んでいたときには知らなかったのですが、船って案外すぐ欠航するんです。
本土の人からよく言われるのが、「晴れてるのに、なんでフェリー止まってるの?」
天気が悪いとなんとなく船も止まりそうなイメージを持ちますが、そもそも船の運航と天気ってあまり関係ない。
関係あるのは、波と風。
台風は本体が接近するよりもずっと前から、海に影響を与えています。天気が晴れていても、海にはすでにうねりが入り始めて、波も高く白波が立つように。
もちろん、風も運行に影響します。
たとえば、三島村のフェリー「みしま」は、運航基準が定められていて、風速15m/s以上なら運行を中止しなければならないと謳われています。
台風の影響でMISHIMA CUPヨットレースは今年も中止

三島村の夏の一大イベントであるMISHIMA CUPヨットレースですが、毎年7月末に行われるので、台風で中止になることも少なくありません。
昨年は台風の影響で中止になったのですが、今年も残念ながら同じ理由で中止になってしまいました。
どの島もMISHIMA CUPヨットレースのためにたくさん準備していたと思うのですが、こればかりは仕方ありません。
こんな機会でもないとなかなか他の島に行くことがないので、残念です。
三島村に台風が接近したらどうなる?

今回の台風は直撃するわけではないのですが、三島村に台風が直撃したら何が起こるか時系列で紹介します。
【接近前】台風情報と天気図とにらめっこ
これも離島あるあるだと思いますが、離島に住んでいる人、特に船でしか移動できない島に住んでいる人って、スマホに絶対天気図見られるアプリ入れてます。
天気図にあやしげな熱帯低気圧を見つけると、これは台風になりそう、いつくらいまで船くるかなと予想が始まります。
もし食材など家にストックが少ない場合、早めに発注しておかないと大変。
鹿児島に行く予定がある人は、スケジュール変えて早めに行こうか悩んだり、スケジュール変えられないときは当日の朝までやきもきしながら過ごします。
【接近中】家の周りを整えてライフラインを確保、避難する場合も
いよいよ台風が近づいてきたら、風で家の周りのものが飛ばされないように準備をしておきます。
雨戸も締めます。
また、台風が直撃した場合、高確率で停電&断水が起こるので、ポータブル電源やモバイルバッテリーなどを充電しておいたり、お風呂に水をためておいたり、ライフラインを確保。
スマホが使えないと詰むので、モバイルバッテリーだけはたくさん確保しておくのがおすすめです。
また、場合によっては避難所に避難することも。
もちろんフェリーは全便欠航です。
竹島唯一の商店である竹のいえの商品棚はこうなります。

【直撃中】家にひきこもるのみ!デジタルデトックス
台風が最接近している間は、何もできないのでひたすら家に引きこもり。
電気が使えているうちは良いのですが、ほぼ確実に停電するので、そのときが結構つらい。
退屈なのでスマホをさわりたいけど、充電が気になるし、天気が悪いので昼でも真っ暗だし。
仕方ないので、強制的にデジタルデトックスできる良い機会だと思って耐えてます。
【通過後】外の片付けをしつつ船を待つ
台風が通過して空が晴れても、すぐに日常が戻るわけではありません。
海が落ち着かないとフェリーは動かず、数日間は物流が止まったまま。
まずは台風による倒木や道路の土砂など、島民みんなで掃除を行います。
フェリーが再開すると、久々の物資が届き、平穏が戻ります。
わたしが知っている限りでは、数年前に停滞する台風のせいで2週間ほど船が止まったことがありました。
どの家も船が止まることを想定して多少の備えはありますが、さすがに2週間はキツイ。
毎日餃子(冷凍)とラーメンで生き延びました笑。
不便だけど、台風の季節は当たり前に定期的に感謝できる良い機会かも

本土では「台風が来る=傘がいる」「交通機関がちょっと乱れる」くらいかもしれませんが、離島ではそれ以上の意味を持ちます。
物流は止まるし、暮らしのリズムが乱れて、備えていなければすぐに困る状況に。
でも、だからこそ電気が当たり前にあること、水道から水が出ることに毎回感動して、ありがたみを感じられます。
とはいえ、できれば直撃は避けてほしい。今年は大きな台風が来ませんように…。

