2025年7月に始まった「世界と竹島をつなぐプロジェクト」。竹島の食材や手作りおもちゃがシリアやルワンダへ届けられ、遠い国の子どもたちとの絆を育みました。今回、その橋渡しをしてくださっているNPO法人なかよし学園プロジェクトの中村さんが海を越えた旅の結果を携えて竹島に再び上陸。海を越えて育まれた絆の成果をお聞きしました。
世界と竹島をつなぐプロジェクトって?前回のおさらい
世界と竹島をつなぐプロジェクトとは

「世界と竹島をつなぐプロジェクト」は、なかよし学園を通じて竹島の子どもたちと世界の子どもたちが、食べ物や手作りのおもちゃ、手紙などを通じて交流する取り組みです。
千葉県松戸市に本拠地を置くNPO法人なかよし学園プロジェクトは、世界各国の学習貧困地域における子どもや大人の学びの土台づくりを支援することを目的としています。
そして、学んだ知識や技術を活かして働く力を育むこと、その経験を世界に発信していく社会づくりを目指している団体です。
このプロジェクトの一環として、なかよし学園は「世界とつながる学びプロジェクト」を展開。
日本の子どもたちが教材を作ったりアイデアを考えたりして、それを海外で実装し、さらに現地からの反応を日本に還す、往還型グローバル探究学習を進めています。
2025年7月に始まった 「世界と竹島をつなぐプロジェクト」も、まさにこの理念に基づいた取り組み。
世界各国での教育支援活動の経験を生かし、竹島とシリア・ルワンダなどの地域をつないでくれています。
竹島の食材や手作りのおもちゃが世界へ!
2025年7月のなかよし学園訪問時に、竹島の特産品であるたけのことハマギ餃子、子どもたちが手作りした竹のけん玉を中村さんへ託しました。
前回の様子はこちら。
今回はその結果を伝えるために、交流の橋渡しを続けてきた中村さんが再び竹島を訪れてくれたのです。
一方通行で支援を行うのではなく、現地の子どもたちからの反応や声を竹島に届けることで、交流が双方向で続いていくのもこのプロジェクトの特徴です。
こうして「世界と竹島をつなぐプロジェクト」は、第2章のスタートを迎えました。前回生まれたつながりが、さらに一歩先へと広がっていきます。
今回の授業は「世界に届いた三島竹島の想い」

今回の授業では中村さんが見てきた世界を紹介しながら、「世界に届いた三島竹島の想い」として、たけのこやハマギ餃子、そして手作りの竹けん玉をシリアやルワンダの子どもたちの元へ届けた様子についてお話してくださいました。
竹島の子どもたちは「ちゃんと届いたかな?」「おいしいと思ってもらえたかな?」と結果を楽しみにしていた様子。
「平和」について考えるディスカッション
中村さんは、「世界とつながる学びプロジェクト」として、これまで世界の現場で見てきた子どもたちの様子を写真を交えながら伝えてくださいました。
戦争が終わったばかりの国の様子や生活、食事などを紹介する授業では、みんなでディスカッションする時間も。

- もし戦争があったら自分はどうする?
- 地雷原に住む友達をどう助ける?
- 誰かとケンカしたら仲直りにどれくらいかかる?
- どうやって仲直りする?
- 世界を平和にするにはどうしたらいい?
などテーマはさまざま。
子どもたち一人一人に答えを聞いていきますが、質問に正解はありません。大切なのは、質問に対して自分は何を感じるのか、何ができるかを考えること。
問いを通して考えお互いの考えを聞きながら、世界のことを自分事としてとらえ、想像する力を育んでいました。
おいしい!たのしい!の反応をもらえた竹島の食材やおもちゃ
竹島から届けられたたけのこ、ハマギ餃子、手作りの竹けん玉は、シリアやルワンダに届きました。
シリアはイスラム教の国なので豚肉を使った餃子は渡せませんでしたが、たけのこは現地で煮物にして楽しんでもらえたそうです。

「おいしい!」という反応に、子どもたちも自然と笑顔になります。
また、竹のけん玉で現地の子どもたちが楽しそうに遊んでくれている様子も。

こうして、竹島の子どもたちと世界の子どもたちとが、おいしい!たのしい!でつながりました。
世界の子どもたちへ手紙を書いてみよう
竹島の食材やおもちゃを受け取った現地の子どもたちからは、お礼のお手紙が。
「平和」と漢字で書かれたものもあります。

そこで放課後には、みんなでお手紙ありがとうの想いやお友だちになろうの気持ちを込めて、手紙を書くことにしました。
現地の子どもたちは日本語は読めないので、英語で書きます。
中村さんに「英語で書いてね!」と言われた子どもたち、ためらうことなくタブレットを開いて翻訳サイトを使いこなしています。

さすが…!
子どもたちだけでなく、大人も手紙を書きました。
書いた手紙は再び中村さんが現地に届けてくれるため、この交流は一方通行ではなく、双方向で続いていきます。
次のステップは、たけのこをもっとおいしく食べてもらうためにレシピを届けること

今回、現地に届けてもらったたけのこは、めんつゆで煮て煮物として楽しんでもらったそうですが、たけのこ料理ってそれだけじゃない!
てんぷらや炊き込みご飯、きんぴら、バター焼きなどなど、まだまだ伝えたい料理のバリエーションがあります。
そこで次のステップとして、竹島の子どもたちが「どうやったらもっとおいしく食べてもらえるか」を考え、たけのこのレシピを作成することに。
もちろんレシピも英語で書きます。
たけのこの味や調理のコツを英語で表現することは、たけのこの魅力やよりおいしく食べられる方法を、どんな言葉なら相手に伝えられるかと考えることから始まります。
相手に伝えるための表現を工夫する過程で、自然と「何故おいしいのか」「地域の特産品としてどんな価値があるのか」と深く考えることにつながるはず。
その結果、子どもたちは竹島の魅力を改めて再認識し、伝える喜びも体験できるのです。
文法や語彙の暗記にとどまらない、実践的な英語教育の場にもなりますよね。
竹島から広がる小さな一歩が、世界をつなぐ

竹島のたけのこやハマギ餃子、竹のけん玉は、海を越えてシリアやルワンダの子どもたちのもとへ届けられました。
贈り物への反応を知り、手紙を交わし、さらにレシピを考えることで、単なる一方的な支援ではなく、互いの文化や生活を理解し合う、双方向の学びの場へと進化しています。
文化や言葉は違ってもお互いのことを知り、仲良くなること。それこそが争いをなくす第一歩であり、このプロジェクトの最終的なゴールです。
プロジェクト第2章は、竹島の子どもたちと世界の子どもたちが互いに学び合いながら、新しい交流の一歩を踏み出した場となりました。
なお、なかよし学園では活動を支える仲間を募集中!
ともに活動してみたい!応援したいという方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。

