突然ですが、「世界平和」について考えたことありますか?テーマが壮大すぎて、普段は意識しない人がほとんどですよね。今回、ご縁があって、世界各国の教育支援活動を行っているNPO法人なかよし学園プロジェクトの中村さんご夫妻が三島村・竹島に来てくださいました。お話を聞いてみると、意外と世界平和って身近なものなのでは?と感じたので、その時の様子となかよし学園の活動について、お伝えしたいと思います。
実は「世界」とつながっている竹島

竹島は、人口50人ほどの小さな島です。信号もコンビニもない竹島って、「世界」とは遠く離れたところにあるように感じるかもしれません。
でも実は、竹島をはじめとする三島村は、すでに世界と深くつながっているんです。
たとえば、ジャンベ。
アフリカの伝統楽器であるジャンベを、子どもたちは日常的に叩いています。2025年の大阪・関西万博にも、三島村の子どもたちがジャンベ演奏で出演しました。
また、英語を母国語にする国から来てくれたALTの先生たちはそれぞれの集落に住んでいて、当たり前に地域行事に参加するなど島民の一人として生活しているし、英語を通じた交流も日常の中に根づいています。
竹島は小さな島だけれど、確かに「世界」とつながっている。
その世界とのつながりをまたひとつ深めてくれたのが、なかよし学園プロジェクトとの出会いでした。
竹島学園×なかよし学園プロジェクトで世界を平和に
なかよし学園プロジェクトって?

なかよし学園プロジェクトは、千葉県松戸市に拠点を置く特定非営利活動法人(NPO法人)で、世界各国の教育支援活動を中心に、防災教育、医療教育、平和教育などを推進しています。
現在、カンボジア、ネパール、ミャンマー、東ティモール、シリア、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ民主共和国、南スーダンの9カ国で活動を展開中。
代表の中村雄一さんは、通信制高校教諭や予備校講師を経て、2007年にこの活動を開始。2019年にはNPO法人化し、国内外で教育支援を行いながら、平和な社会の実現に向けた取り組みを続けている方です。
今回ご縁があって、そんななかよし学園プロジェクトの中村ご夫妻が竹島に来島されました!
中村さんによる世界の扉を開く講演会

中村さんご夫妻は、子どもたちへ向けて「せかいのとびらをひらこう」というテーマでお話ししてくださいました。
同じ内容のお話を翌日わたしも聞かせていただいたのですが、世界とつながるとはどういうことか、そして教育がどれほど大きな力を持つかが、まっすぐに込められていました。
違いが争いを生む。でも、その根本には「つらさ」がある

人間は、つらい状況に置かれると「違い」を見つけて攻撃してしまう。その連鎖が大きくなると、やがて戦争や分断へとつながっていく。
でも、もし世界から「つらさ」をなくすことができたら、争いは減らせるかもしれない。
つらさの最たるものは、貧困です。
「食べるものがない」「着るものがない」「安心して眠れる家がない」そんな状況では、他人を思いやる余裕なんて持てなくて当然です。
だからこそ、自分自身の心や生活が満たされることが大前提。
そして、それを可能にするのが教育です。
教育は、単に知識を与えるだけではありません。
違いを恐れたり攻撃したりするのではなく、認め合い、尊重し合いながら、「誰かの役に立ちたい」「困っている人を助けたい」と思える心を育てていく。
そんな力を、教育が育んでいくのだと思います。
答えのない未知の時代だからこそ自分の頭で考えて行動することが大切

今、わたしたちが生きている社会は処理しきれないほどの情報が錯綜し、世界は多様化して、「正解」がない問題があふれています。
何が正しいか一つに決められない時代だからこそ、大切なのは、「自分はどうしたい?」「自分に何ができる?」と問いを立てることだと中村さんはいいます。
誰かに答えをもらうのではなく、自分自身で考え、選び、行動してみること。たとえうまくいかなくても、その経験自体が力になっていきます。
小さな問い、小さな一歩の積み重ねが、子どもたちの大きな未来を切りひらいていくのだと思いました。
島の子どもたちが作ったふりかけが世界へ

その一例として、紹介してくださったのが「なかよしふりかけプロジェクト」。
壱岐島の子どもたちと共同開発したふりかけを、東ティモールや南スーダンなどの貧困地域の人々に届けるというもの。
食料支援の現場では、白ごはんだけなら1,000人分を配れるけれど、おかずをつけると300人分しか行き渡らない、という現実があるそうです。
そこで「白ごはんだけでも、栄養があっておいしく食べられる方法はないか?」と子どもたちと一緒に考えて生まれたのが、規格外品など、市場価値が低い食材を活用したふりかけでした。
「できることから始める」という姿勢が、子どもたちの手を通して国境を越えて広がっています。
竹島の大名筍やハマギ餃子がルワンダへ

今回、なかよし学園プロジェクトを通じて、竹島の大名筍やハマギ餃子、竹のけん玉がアフリカのルワンダへと旅立つことになりました。
ルワンダについて正直あまり知らないのですが、わたしたちとルワンダの人たちの文化や暮らしはまったく異なることは想像できます。
でも、「うれしい」「おいしい」「たのしい」といった感情は、世界共通です。
大名筍やハマギ餃子、けん玉をきっかけに、同じ気持ちを分かち合い、そこから仲良くなることができたら素敵だなと思います。

また、現地では、食材はあっても調理法を知らないというケースも少なくないそうです。
筍料理や餃子など調理法を伝えることで食の選択肢が増えたり、日々の暮らしにちょっとした楽しさが加わるかもしれません。
ルワンダの人たちに「おいしい!」と言ってもらえたら、わたしたち自身があらためて地域の価値を見つめ直す機会になりますよね。
子どもたちにとっても、自分たちの身近なものが誰かの役に立つ経験は、とても大きな意味を持ちます。その実感が、自発的な行動につながり、島への誇りや愛着を育ててくれるはずです。
もしかしたら将来、ルワンダの人たちが自分たちのアレンジを加えた「新しいレシピ」をSNSでシェアしてくれる日が来るかも…?
竹島から世界へ!小さな島から生まれるつながり

人口50人ほどの小さな竹島ですが、ジャンベやALTの先生との交流、そしてなかよし学園との出会いを通して、世界とのつながりが広がっています。世界平和は遠い夢ではなく、身近な一歩から始まるものなんだと改めて感じました!子どもたちの小さな一歩が、世界に広がっていくのが楽しみです。