新緑が風に揺れ、柔らかな陽射しがわたしたちの街を淡く照らす初夏。水面に映る光や、雨上がりの匂いに、ふと季節の移ろいを感じる心地よい季節となりました。
今回は、以前もご紹介した書道家・竹丸沙織さんが鹿児島市で開催する個展のご案内です。
前回の記事はこちら!
墨が紙にじわりと滲む一瞬。筆がためらいながら、呼吸とともに線を描き出す刹那。そこには、飾ることのないありのままの「真」が現れます。
「目の前にあるものは真実なのか、それとも、心が映し出した幻影なのか――。」
そんな問いを抱えながら、彼女は再び筆を取ります。
白と黒の狭間で揺れる未熟ささえも、ひとつの美しさとして抱きしめながら、「未完成」のその先にある景色を見つめるために。
今回の個展のテーマは、「真善美」。
静寂の中に宿る彼女の感性と言葉が、訪れる人の心にそっと余韻を残してくれるはずです。
真善美-SHINZENBI-


■24日、25日、26日、27日、28日、31日
→終日在廊
■29日
→在廊予定だが時間未定
■30日
→15:00~17:00在廊予定
書道家 竹丸沙織の世界観
書道家 竹丸沙織の作品には、常に「問い」が流れています。
なぜ人は惑うのか。なぜ惹かれ、傷つき、美を求め続けるのか。
そして、その先には何があるのか――。
時に静かで儚く、時に激しく荒々しく。


時には自ら自然の懐へと入り、樹々のさざめきや川のせせらぎに耳を澄ませ、雄大な山の息吹に抱かれながら書を生み出すこともあります。
頬をなでる風、降り注ぐ柔らかな光、そしてその場に満ちる澄んだ空気さえもが、彼女の作品を構成する大切な要素。偶然に生まれた墨の滲みは、二度と巡ることのない“今この瞬間”の証として、静かに書へと刻まれます。
自然の呼吸と自身の鼓動が重なり、ひとつの線へと昇華されていく。 そこには、作為を超えた生命の躍動が、しなやかに、そして力強く宿っているように感じます。




筆者は登山が趣味なので、この書は特別に大好き!!
前回の個展では寺院を舞台に、障子へ直接筆を走らせる寺内作品を制作。静寂の空間に広がる墨の気配は、多くの人の心に深い余韻を残しました。「色即是空」という精神性を軸に、形あるものも感情も、絶えず移ろい変化していくことを描き出します。


白と黒だけに留まらず、鮮やかな色彩を取り入れた作品もまた、彼女の大きな魅力のひとつ。
色と形、偶然と必然の狭間に新たな表現が生まれていきます。

彼女にとって書道とは、ただ文字を美しく整えるものではありません。
呼吸、身体、感情、その瞬間にしか生まれない“生”そのものを刻む行為です。
その実験的ともいえる表現の先で、彼女は今日も、“生きること”そのものの美しさを探し続けています。

前回の個展「未完成」からさらに深みを増した沙織ちゃん!約半年ぶりの地元鹿児島での個展となるので進化が楽しみですね!
真善美-SHINZENNBI-の楽しみ方
①個展初日に行われるオープニングパフォーマンス
5月24日(日)13:00~13:30 (観覧無料)
個展の幕開けを飾るのは、書道家・竹丸沙織によるオープニング書道パフォーマンス。
「書」といえば、静寂の中で筆を走らせる“静”のイメージが強いかもしれません。しかし、彼女のパフォーマンスは、その瞬間に生まれる呼吸や感情をダイレクトに映し出す“動”そのものです。
音、空気、そして会場に満ちる人の気配――。 その場に集う人々と響き合いながら、白紙の上で作品は即興的に、命を得たかのように姿を変えていきます。「完成されたものを見せるのではなく、来場者とともに一つの作品を生み出したい」という彼女の強い想いが込められた、まさに一期一会の時間になるでしょう!

筆者も過去の個展で、このオープニングパフォーマンスに立ち会いました。「無」から光が生まれていくような制作過程を間近で体感できるのは、展示された作品を鑑賞するのとはまた違う、特別な感動がありますよ!

➁竹丸沙織本人によるふるまい
会場では、ご来場いただいた皆さまに、ささやかではありますがお抹茶やお茶、お菓子をご用意しています。

「お抹茶やお茶はとっても自己流なので、どうか気軽な気持ちで…!」by竹丸沙織
今回の会場は、今後オープン予定の飲食店。
カウンター席に腰掛けながら、作品について語り合ったり、ゆっくりと言葉を交わしたり。単に作品を“鑑賞する場”ではなく、その空間ごと楽しみ、ほっと一息つける時間も過ごせそうです。
期間中(在廊日に限り)、着物姿の竹丸沙織さんが皆さまを迎えてくれますよ!作品を見て感じたことや、心に浮かんだ言葉を、ぜひ直接伝えてみてくださいね◎

③作品展示販売、実演販売、グッズ販売
会場には、およそ50点の作品が展示される予定です。
和の趣が漂う空間に並ぶのは、日本古来の精神性や言葉を深く見つめ、紡ぎ出された作品たち。前回の個展「未完成」で提示した世界観をさらに掘り下げ、新たなテーマである「真善美」へと昇華させた最新作の数々を、書道パフォーマンスと共にお届けします。
また期間中は、作品の展示・販売だけでなく、日常に寄り添うオリジナルグッズの販売も行われます。さらに、お客様との対話を通じて、その場で言葉を書き上げる実演販売も予定。彼女の筆致が、あなただけの特別な一枚に宿る貴重な機会となります。
「書道には詳しくないけれど、少し気になる」「なぜか心が惹かれる」――。 そんな直感に身をまかせて、ぜひ気軽に足をお運びください。
書道家 竹丸沙織Gallery(ほんの一部)



過去記事でご紹介した、薩摩伊作和紙で制作した作品。
楮(こうぞ)を採取し、和紙を漉くところから作品作りをする彼女のストイックさには毎度感銘を受けます。



取材協力・写真提供/書道家 竹丸沙織

