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未完の美を書き記す

最近、自宅で育てているバラが次々と蕾をつけ美しく綺麗に開花を始めました。これまで「バラの花」は花屋で買うか、バラ園で鑑賞するものでしたが自分で育ててみると「美しく在る」ということがどういうことなのか考えるよいきっかけとなりました。

今回は、11月に個展を開催する書道家 竹丸沙織さんのご紹介と個展のご案内を通して「美しさ」について紐解いていけたらなあと思います。

書道家 竹丸沙織

彼女との出会いは、3年前。友人の写真展にモデルとして参加していたのがきっかけでした。当時はまだ、高校教師をしていた沙織ちゃん。高校教師をしながら、モデルに挑戦し、書道家としての活動を本格化させていた時期でした。

多くは語らない彼女ですが、わずか2歳半という幼い頃から筆を握り始め書道歴は20年以上に及び、その過程で数々の栄誉に輝いています。和洋女子大学主催の競書大会での「文部科学大臣賞」受賞をはじめ、全国書画展覧会での8年連続「筆都大賞」受賞、さらには「書の甲子園」への出場(計175件特別賞受賞)など、その才能は傑出したものでした。

詳しいプロフィールはこちら
https://saori5384.theshop.jp/about?fbclid=PARlRTSANnuCNleHRuA2FlbQIxMAABp68HkEyRR9_1wW91NnkjowlzczXZUtuuvjRFLoooCsrkC8Fib7m0OG95klf__aem_dFH41F0W4JN1SbzqOppBpg

このようにどっぷりと書道の世界に浸っていたのかと思いきや、実は彼女にも書道に向き合えなかった時期があります。「完全」「完璧」な美を追い求めるあまり、自分らしい「書」にならないと心苦しかったことも少なくありません。
そんな彼女が自身や己の書と向き合い、今現在の「ありのままの美しさ」を込めた個展 未完成 が11月に開催されます。

未完成 おん ばいたれいや そわか ~本個展に込めた想い~

未完成 おん ばいたれいや そわか

展示期間:11月1日(土)~11月8日(土) 10時~17時(※最終日は16時まで)
会場:権現寺吹上別院
住所:鹿児島県日置市吹上町田尻963
入場料:無料
作家在廊日:全日

作品展示・販売・グッツ販売・パフォーマンス・公開制作・実演販売・護摩焚き

❅パフォーマンス:11月1日(土)11時11分11秒~
❅護摩焚き:11月2日(日)13時~※祈願護摩木1本 300円

筆者から見た 書道家竹丸沙織

3年前に、初めて彼女と出会ったときの第一印象は「かわいい子!!」でした笑
とにかく、見た目が麗しい。けれどその美しさの中に儚げな、言葉にならないささくれのようなものを感じていました。幼いころから、数々の賞を受賞していて実績はあるのに何故か、そこが自信に繋がらない。そんな葛藤もあったように感じていました。
沙織ちゃんは心は繊細ですが、行動は大胆です。この3年の間に日本全国あちこちで活動の幅を広げ、表現の自由を手にしました。そして、その書の形を「流書®」と名付け商標登録したようです。

「流書®」
「時の流れや心の移ろいに従い、水の流れのように迷いのない運筆」

まさに、彼女の人生の葛藤から得た美しさの形です。
今この瞬間、正しい・綺麗と感じているものも、5分後、10年後には違うもののように見えたりすることもあります。人も、人の気持ちも、時代も移ろいやすく儚いからです。
それを、誤魔化さず正面から受け止め真摯な思いでにして書き記す。定型や規範にとらわれず、その時々で書道家竹丸沙織の心が感じたこと、湧き上がる感情を、まるで水が流れるように、止まることなく、淀むことなく筆に乗せていく表現の形。
私から見た、書道家竹丸沙織はこんな感じ。

↓3年前に、彼女に書いてもらったインテリア書道の作品↓

インテリア書道の活動を始めたばかりだった彼女に、「これからのわたしの生き方の道しるべになるような言葉を書いてほしい!」とお願いして一緒に考えてもらった作品です。

この時の気持ちや状態と、今のわたしは少し違うけれど「美虎」に込めた想いが沙織ちゃんの書で残っているから見るたびに勇気づけられ、前向きでいれるような気がします。

竹丸沙織よりメッセージ

実は、鹿児島生まれ鹿児島育ち、鹿児島を拠点に活動をしていた沙織ちゃんですが来年より活動拠点を東京に移すことになるそうです。(もちろん、今後もイベント等で鹿児島に戻ってきてくれる機会はあるようですが)
このような経緯もあり、是非多くの方に今回の個展に足を運んでいただければと思います。
以下、御覧頂いている方に書道家 竹丸沙織よりメッセージです!

竹丸沙織
竹丸沙織

私は幼少期から「人はなぜ生きるのか」という問いを立てて日々を過ごしています。
今の私の生きる原動力は、「私の活動を通して、より多くの人の人生にひかりを与えたい」という想いです。来年1月から拠点を東京に移しますが、引き続き故郷である鹿児島でも活動を続けていきたいと思っています。
私の活動が誰かの生きる糧となりますように。

おまけ【伊作和紙の種子田先生とのコラボ】

鹿児島って、本当に人と人の繋がりが深く「友人Aの知人は、友人B」なんてことは日常茶飯事ではありませんか?笑
実は、沙織ちゃん。先日公開したブログでご紹介した【500年の歴史を紡ぐ【薩摩伊作和紙】和紙アトリエTaneda】の種子田先生のお弟子さんでもあります。

書道家竹丸沙織は、なんと書を書き記す「紙」も自作しているのです。
更に驚くべきことに、

和紙の原料である楮の採取から、自身で行っています。
なんというストイックっぷり!!!

不完全を美しさとしながらも、揺るぎない想い(こだわり)も持ち合わせているのが沙織ちゃんらしいです。

美しい。
ここで、冒頭のバラの話に戻ります。
お店で売られている、またはバラ園で栽培されている完全な状態の花は間違いなく美しいです。

そして、自宅で育てていたバラは完全なバラに比べたら形状が小さいし、色にもムラがあります。万人に「美しい」と感じてもらうのは難しいかもしれません。いわゆる、「不完全」な状態です。それでも、この不完全なバラを見て「綺麗に咲いてくれてありがとう」と思いを寄せることで私の中で不完全が補完されたような感覚になりました。

ありのままを尊ぶ、沙織ちゃんの書も、それに近いものを感じます。

是非、11月1日~8日の短い期間ですが書道家 竹丸沙織 鹿児島個展【未完成 おん ばいたれいや そわか】に足を運んでいただけますと幸いです◎

取材協力・写真提供/書道家 竹丸沙織

投稿者プロフィール

はまだともみ

鹿児島(霧島市)生まれ、鹿児島育ち(鹿児島市在住)、鹿児島で子育て18年目。地元(鹿児島)愛が強めなworking motherです。 お仕事は中小企業で人事を担当。 趣味は、登山・料理・芸術鑑賞、時々ガーデニング(初心者)。 家を建ててから「照明」に興味がありDIYで自分好みの照明を作りたいな~と模索中!

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