下豊留です。
毎月お仕事で薩摩川内市に行っており、時間があればぶらぶら史跡を見に行くようにしています。
今回ご紹介するのは、とても歴史のある「泰平寺」です。

泰平寺

泰平寺は、塩大黒様の伝説で有名なお寺です。

和尚の羽坂さんに泰平寺のことを色々と教えていただきました。
まずは、塩大黒様のお話。

むかしむかし、せんだい川のほとりに、泰平寺というお寺がありました。
ある時、この辺りでは塩が手に入らずに困っていました。
一人の小坊主さんが、大黒さんに向かって
「塩が無くてみんな困っている、何とかしてくれんかね」
と話かけました。
しばらくたったある日のこと、大黒さんが本堂から無くなってしまいました。
盗まれたのかと思い、みんなで探しますが見つかりません。
それから数日後、荷物を積んだ船がやってきました。
なんと山積みの塩が運ばれてきたのです。
驚いた住職さんが船頭さんにたずねると、
「泰平寺の坊さんが甑島に来られて、塩が無くて困っているから早く運んで欲しいと頼まれた」
と言うのです。
しかし、甑島に渡った坊主などいませんでした。
すると船頭さんは「今、本堂に入っていった坊さんじゃ」
と言うので、皆で本堂に駆け込んでみると、誰もいません。
ところが、本堂の入り口から点々と足跡がありました。
それを追っていくと……!!!
無くなったはずの大黒さんが戻っているではないですか。
そして、あの時の小坊主さんが言いました。
「大黒さまが、愚痴を聞いてくれて塩を持ってきてくれたんだ!」
この話はたちまち広まり、不思議な大黒さまを一目見ようと、たくさんの人々が押し寄せました。
そして「塩大黒」と呼ばれるようになりました。

<泰平寺に伝わる「塩大黒」>

というお話です。
お話自体は『まんが日本昔ばなし』を見て知っていたのですが、
なんとその塩大黒様を実際に見せていただきました。

塩大黒さま

とても優しそうなお顔をしています。

お塩もいただきました。

塩大黒祈願

私は霊感は無いのですが、なんとなく嫌な雰囲気は感じる方です。
大黒様のお塩に見守ってもらおうと、今年はこちらを持ち塩にしていました。塩はとてもサラサラしていて、湿気の多い梅雨時期もサラサラしていたのですが、つい最近急に塩がドロッと溶けてしまいました。
長く持ち歩いていましたし、気温の変化とかが原因だと思いますが、ちょうど年末ということで「きっとこの1年私を守ってくれたから溶けたんだろうな」と、感謝をした次第です。

泰平寺の敷地内には聖徳太子の銅像もあります。

聖徳太子像

聖徳太子が寺院建築を奨励したということから、特に大工の方たちから尊敬されています。

そういえば、阿久根市脇本にある西徳寺にも、聖徳太子にまつわる碑があります。

西徳寺
聖徳太子1300年記念碑

ぜひ、ありがたい大黒様に会いに泰平寺へ行かれてみてください!

投稿者プロフィール

下豊留 佳奈
下豊留 佳奈
オフィスいろは
下豊留佳奈(しもとよどめ かな)
鹿児島生まれの鹿児島育ち。
地元が元気になればと思いあれこれ活動しています。
共著に『鹿児島偉人カルタ55』(燦燦舎)
2021かごしまの新特産品コンクールで鹿児島県観光連盟会長賞を受賞しました。
第一工科大学と鹿児島第一医療リハビリ専門学校の非常勤講師
鹿児島県立図書館協議会委員
昔話と歩くことが好きです。