こんにちは。慶應義塾大学SFC研究所上席所員の折田です。
日本全国で問題になっている人口減少
子供がいなくなることで、学校が無くなり、地域に活気が無くなっています。
特にその影響は中山間地域では極めて深刻な問題となっています。
2022年3 月10日に 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社が出したレポートによると、「高校魅力化」により地域の総人口は5%超増加し、地域消費額は約3億円増加、歳入も約1.5億円増加することが判明したそうです。
https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2022/03/news_release_220310.pdf
「学校」という存在が、その地域にとっていかに大きな存在かを示している興味あるデータです。
地域から学校が無くなるということは、その地域に子供を持つ親がいなくなることに繋がります。
特に高校においては「魅力ある学校」がなければ、その地域において将来を担う人材を失うことになりかねません。
そんな中、既に廃校になった学校を活用した新しい学校「たからべの森の学校」が注目を浴びています。


学内には旧職員室や教室を改装したワクワクする部屋が存在します。


この学校は、学校教育法に位置付けられる学校ではありません。
職業能力開発促進法に基づき、職業に必要な技能および知識の習得を目的に行う職業訓練の学校になっています。
更に、職業訓練をするだけでなく、部活動の合宿の受け入れや学校のプロジェクトの受け入れも行っているマルチな次世代型学校になっているのです。



あの地域魅力化に取り組むことで有名な、福山高校の「福山みらい創業塾」もプロジェクトでコラボしています。




このように「たからべの森の学校」は、地域の過疎化が進み廃校になってしまっても、取り組み次第では魅力ある学校に生まれ変わることができることを証明した廃校活用の成功モデルと言える事例になっています。
離島・中山間地域を多く抱える鹿児島県では、このようなモデルがどんどん生まれていくことが大切ですね。
そして、学校も学校内だけに留まらず、地元の民間企業や人々と協力して地域魅力化を進めていくことが望まれます。

