新婚旅行(ハネムーン)のメッカといえば、一昔前の昭和時代は、お隣の宮崎県が有名でした。
では、日本初の新婚旅行(ハネムーン)の地がどこかというと、鹿児島県だということを皆さんはご存知でしょうか?

入り口の看板

実は、日本初の新婚旅行(ハネムーン)は慶応2年(1866年)に坂本龍馬がお龍と共に鹿児島を訪れた時だと言われています。
その際、霧島市では29日間の滞在をしましたが、霧島市の中でも最も多く滞在したのが「塩浸温泉」だったそうです。

龍馬とお龍の銅像

坂本龍馬は自由な性格だったそうですが、そのことが鹿児島での新婚旅行(ハネムーン)のエピソードからみて取れるそうです。
その記録は、旅行に同行した薩摩藩士・吉井友実の息子である幸蔵によって、小説「或日の龍馬」に書かれています。

「或日の龍馬」によると、龍馬は霧島で川釣りや鉄砲撃ちを楽しんでいたそうです。ちなみに、記述によると龍馬は、鉄砲撃ちは上手かったそうですが、魚釣りは下手くそだったそうです。(笑)

また、お龍との夫婦喧嘩もあったそうで、それは涙を流すほど感情的なものであったとの記載もあるようです。

当時の塩浸温泉(左下の川沿い)と現在の塩浸温泉(右上)

霧島市の妙見温泉郷は湯治に聞くと言われる湯が多く出ており、中でも「塩浸温泉」の泉質は切り傷に良いとされていたようです。
伏見の寺田屋で襲撃され傷を負った龍馬にとっては、この場所でお龍と共に過ごした療養の日々はどのようなものであったのでしょうか・・・

そんな歴史に思いを馳せながら、川のせせらぎの音や鳥の声を聞いて温泉を楽しめるのが「塩浸温泉」の魅力でもあります。

美しい水が流れる渓谷

龍馬が実際に入ったとされる当時のお風呂は入ることはできませんが、現在は入浴施設が整備されており、足湯も楽しむことができます。

龍馬風呂

日本初の新婚旅行(ハネムーン)の地ということもあり、足湯に浸かると「縁結び」の効能もあるとか・・・

縁結びの足湯

休憩所も整備されており、夕涼みにも最適です。

休憩所

施設エリアには資料館もあり、坂本龍馬を中心とした歴史や霧島の地理や歴史のことを学ぶことができます。

資料館の入り口
資料館の中の様子

小さい資料館ですが、歴史的に価値の高いものもあり見応え十分です。

坂本龍馬が土佐脱藩後に郷里の姉乙女宛に初めて出した手紙として有名な「きんたまの手紙」も見ることができます。
当時としては型破りな文章で、卑近なたとえをふんだんに使っていますが、勝海舟の弟子となり、海軍創設に関わる喜びが文面にあふれ出ています。

きんたまの手紙

超ローカルな物産品の販売スペースもあります。

オリジナル物産品?

本数は少ないですが、目の前にはバス停もあります。

ぜひ、一度足を運んで、歴史と自然を感じながら観光を楽しんでもらいたい場所です。

投稿者プロフィール

orita慶應義塾大学SFC研究所上席所員
慶應義塾大学SFC研究所で上席所員として研究者と一緒に未来の教育を研究しています。
同時に鹿児島県立福山高等学校で「福山みらい創業塾」というプロジェクトに関わっています。
このカゴシマガジンでは、主に「教育改革・地域魅力化・産官学連携」について書いていきます。