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持続可能な観光と鹿児島市でおこなう歴史・文化探究学習修学旅行プログラム

下豊留です。
2025年6月21日(土)に、薩摩川内市で日本観光学会が開催され、公開シンポジウムに行ってきました。
開催場所は、JR薩摩川内駅平佐口横にあるSSプラザ川内です。

川内駅で、薩摩川内市名物「ちんこ団子」を購入した記事も書いております。
よろしければご覧ください。

公開シンポジウムのテーマは「地域資源を生かした持続可能な観光の可能性~「知的観光」のすすめ~」
元鹿児島県観光プロデューサーで元肥薩おれんじ鉄道社長の古木圭介氏と志學館大学教授の原口泉氏のお二人が登壇し、鹿児島の観光についてお話されました。

古木先生は、現在は運転士不足で運休していますが、肥薩オレンジ鉄道の「おれんじ食堂」の立ち上げから反響についてご紹介されました。
運転士不足は鉄道だけではないですので、どうしたら良いのかなと考えさせられました。
また、持続可能な観光には「国際化への対応」、「情報化への対応」、「人材育成」の3つが大切であり、リピートの無い観光地は持続可能な観光地にはならないということや、鹿児島を憧れの地にしなければならないとご提言されました。
観光産業は平和産業であるという言葉も心に残りました。

原口先生は、産学官に民の力を加えた、産学官民による連携の必要性を訴えられました。
民とは、NPOや市民団体のことです。
また、特に海外の方は鹿児島の歴史や文化を学びたいという方が多いため、県の観光プロデューサーだけでなく、歴史・文化プロデューサーも必要ではないかとご提案されました。

シンポジウムのオープニングでは、薩摩琵琶とゴッタンの演奏がありました。
薩摩琵琶は、鹿児島県の無形文化財に指定されています。武士の教養としても演奏されていて、小松帯刀も好きだったといわれています。
ゴッタンは、板張りの三味線です。南九州で古くから演奏さえています。
どちらも素晴らしい音色で、伝統楽器はもっと観光にいかすべきだと思いました。


近年、修学旅行の形態も変わってきており、修学旅行で探究学習をおこなう学校が増えてきています。
鹿児島市でも、市の特徴を活かした探究学習のモデルコースを設定して修学旅行の誘致をおこなっており、2023年度にSDGsに特化した3コースがつくられました。

(1)かごしま水族館 × かごしま環境未来館 海の環境変化について学ぼう!
学ぶことができるSDGs
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう

(2)グリーンファームで循環型農業を学ぶ リサイクル散歩
学ぶことができるSDGs
12 つくる責任つかう責任

(3)桜島・錦江湾体感クルーズ
学ぶことができるSDGs
11 住み続けられるまちづくりを
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう

2024年度は、鹿児島大学の学生さんと一緒に、歴史・文化に特化した探究学習プログラムを4コースつくりました。
大学生目線でつくっていますので、中学生・高校生にも親近感を持ってもらえると思います。

(1)明治維新前後ツアー ~変化の時代に学ぶ歴史の多面性~
若き薩摩の群像、維新ふるさと館、黎明館、最大乗院、大龍寺跡、南洲墓地など

(2)西南戦争150年ツアー ~150年前を知り考える私たちの未来~
黎明館、西郷洞窟、西郷隆盛終焉の地、南洲公園(南洲顕彰館、南洲墓地、南洲神社)、西南の役官軍戦没者慰霊塔など

(3)明治日本の産業革命遺産ツアー ~〇〇にとっての近代化とは?~
仙巌園、尚古集成館、紡績所跡・造船所跡、異人館、石橋記念公園、維新ふるさと館など

(4)かごんま文化探訪ツアー ~守りたい!文化を未来へ残すには~
黎明館、センテラス、示現流資料館、鹿児島市役所など

探究学習用のワークシートも大学生がつくっています。
学校の先生方や旅行関係の方、ぜひ詳細をご覧ください。

【探究学習プログラム】
https://www.kagoshima-yokanavi.jp/cvb/report/tankyu

県内の方や観光客の方も楽しめる内容になっていると思います。
あと1ヶ月ほどで夏休み!
ぜひ鹿児島観光にいらしてくださいね。




投稿者プロフィール

下豊留 佳奈

オフィスいろは 下豊留佳奈(しもとよどめ かな) 鹿児島生まれの鹿児島育ち。 地元が元気になればと思いあれこれ活動しています。 共著に『鹿児島偉人カルタ55』(燦燦舎) 2021かごしまの新特産品コンクールで鹿児島県観光連盟会長賞を受賞しました。 第一工科大学非常勤講師 昔話と歩くことが好きです。

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