今年の夏は異常に暑かったのに、最近は急に寒くなって体調を崩しがちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はトークセン・タイ古式マッサージのお店『トークセン・ビハーラ』の折田店長に、古来よりタイに伝わる体調回復術について寄稿していただきました。

冬に体調を整える──タイ伝統の知恵を暮らしに取り入れる
皆さんコップンカップ!トークセン・ビハーラの折田です。
冬になると身体は静かにペースを落としはじめます。手足の冷え、肩のこわばり、浅くなる呼吸。気づかぬうちに心まで縮こまってしまうことも。
そんな季節こそ、タイに受け継がれてきた“四つのエレメント”の知恵を活かしてみませんか?
タイでは私たちの体調は「火・水・風・土」のバランスで成り立つと考えられています。どれかが過剰になったり、不足したりすると不調が生まれる──という、とてもシンプルな考え方です。
まず、冬に最も弱りやすいのが火。体温や代謝、やる気の源となる火が弱まると、冷えや疲れが長引きやすくなります。
そんなとき頼りになるのは、ショウガやシナモン、レモングラスの香り。湯気とともにふわりと広がる香りは、身体の奥にある火をやさしく灯してくれます。ハーブティーなどが取り入れやすいかも。小さな習慣が、翌朝の軽さを変えてくれるでしょう。
次に乱れやすいのは風。風は呼吸や自律神経、思考の動きに関わるエレメント。寒さで肩がすくむと呼吸が浅くなり、気持ちも落ち着きにくくなります。
うーんと背伸びをして体を伸ばすだけでも風はふっと流れて動き出し、思考にもゆとりが生まれます。忙しさの中で深呼吸はささやかな“心の休息”です。
水のエレメントは、巡りと潤いをつかさどります。冬は水が滞りやすく、むくみや冷えを引き起こすことも。短い時間の足湯や、足首をゆっくり回す運動は、水の流れを整える最も手軽な方法です。
関節が固まらないようにしていきましょう。足が温まると、心まで少しほぐれていく──そんな実感を得られるはずです。
そして見落とされがちな土。筋肉や骨、身体の安定感を支えるエレメントで、寒さとともに硬さが出やすくなります。
他のエレメントの影響が体に現れるので、他の火、水、風の対策をしっかりとすると大丈夫。乾燥すると固くなるので水分はしっかりと。そうすると土のエレメントに柔らかさが戻っていきます。
四つのエレメントを完璧に整える必要はありません。大切なのは“少しの変化をやさしく積み重ねること”。
温かい飲み物をゆっくり味わう、深く呼吸する、足元に気を配る──そうした丁寧な暮らしのひとコマが、冬を穏やかに過ごすための力になります。
冬は、私たちに「立ち止まっていい」と教えてくれる季節でもあります。無理をせず、自分のペースで、自分をあたたかく扱う時間を。タイの知恵は、その一歩をそっと後押ししてくれます。
寒い冬に無理せずに、できる範囲内でケアを重ねていきましょうね。

メニュー:トークセン・タイ古式マッサージ・「おかま直伝」よもぎ蒸し・チネイザン・足揉みマッサージ・DNM・腱引き
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