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竹島といえば竹!竹が主役の竹キャンプで自然とふれあう森林体験学習

竹島といえば竹!竹が主役の竹キャンプで自然とふれあう森林体験学習

2025年10月18日、子ども会によるキャンプイベント「竹キャンプ」が開催されました。子ども会のキャンプは、コロナ禍以降中止になったままでしたが、ようやく今年復活!今回のテーマは「竹」です。このキャンプは、自然とのふれあいを通じて、子どもたちに環境への関心を深めてもらうことを目的とした”森林体験学習”を兼ねたイベントです。おかしな天気に振り回されながらも、竹を使って超大作が完成!イベントの様子をお伝えします。

6年ぶり?!子どもたちのキャンプイベントが復活

竹島地区の子ども会では、毎年夏にキャンプを行っていましたが、2019年を最後にコロナ禍の影響で中止が続いていました。しかし今年、ついに6年ぶりにキャンプイベントが復活!


竹島の子どもたちって都会の子どもたちより自然豊かな環境で暮らしているものの、意外にも「自然に触れる体験」は日常の中では限られています。

そこで今回は、自然の中での体験を通じて子どもたちの成長を応援することを目的にキャンプを再開しました。

2025年は「竹」がテーマの竹キャンプを開催

子ども会主催のキャンプ、復活1回目のテーマは「竹」。

竹島の豊かな自然を象徴する素材であり、地域の暮らしにも深く根ざした存在です。

今回のキャンププログラムには、竹を使った工作や竹林の整備体験など、普段の生活ではなかなかできない貴重な体験をたくさん盛りこみ、竹を通じて子どもたちの創造力を育んで、自然とのつながりを感じてもらうことを目指しました。

鹿児島県の助成金を使った森林体験学習としての活動です。

竹を使って子ども達の想像力・創造力を育みたい!

現代の子どもたちは、スマートフォンやタブレット、ゲーム機などのデジタル機器に囲まれた生活を送っています。

AIや自動化技術の進化によって、便利で快適な環境が整う一方で、「自分の手で考え、つくる」体験は少なくなりがちです。完成された製品やサービスに触れることが当たり前になり、何かをゼロから形にする機会は限られています。

そこで、自然素材である竹を使い、設計から組み立てまでを自分たちの手で行うことで、「どうすれば形になるのか」「どうすれば安全に使えるのか」といった思考力や問題解決力を引き出すことを目指しました。

森林体験学習とは

森林体験学習とは、自然の中での活動を通じて、森林の役割や林業の大切さを学ぶ取り組みです。

森林の保全や持続可能な利用について理解を深めることを目的としていて、鹿児島県では「森林(もり)の体験活動の支援事業【標準型】」として、こうした活動を支援しています。

今回の竹キャンプは、この助成制度を活用して地域の自然資源を活かした体験プログラムを実施。

講師として竹文化研究家の橋口博幸さんにもご協力いただきました。

雨で一部プログラムは中止になったものの、竹のジャングルジム&ベンチづくりを実施

キャンプは10月18日、19日の土日。残念ながら、天気予報では雨。

とはいえ、サイトによって予報はまちまちなので、雨が降らないことを祈って当日を迎えました。

予報ではどこのサイトも午前中は晴れ予報だったのですが、朝8時前からまさかの豪雨。

急遽プログラムを組みなおして、制作活動のみの実施となりました。

約100本の竹を取りに大人たちは竹林へ

制作活動に使う竹は、もともと子どもたち自身が竹林に入り、伐採体験をする予定でした。しかし、当日はあいにくの雨となり、伐採は中止。代わりに、大人たちが竹を取りに行くことになりました。

必要な竹の本数は、なんと約100本!

竹島には竹が豊富にありますが、どれでも自由に伐っていいわけではありません。

最初にどんな竹を取るか、見極め方のレクチャー。

竹島の主要な産業は「大名筍(だいみょうたけのこ)」の生産で、竹林の管理はたけのこの収穫に直結する重要な作業です。

たけのこは、若い竹のまわりからよく育つため、若い竹は基本的に伐らず、古くなった竹を選んで伐採するのが鉄則。

特に、ほどよく年数を経た竹を間引くことで、地面に光が届きやすくなり、春にはたけのこが元気に顔を出します。

今回の制作活動に必要だったのは、ある程度太さがあり、しっかりとした強度を持つ竹です。

その条件に合う竹を選びながら、竹林の整備も兼ねて伐採を行いました。

ちなみに、竹の皮がまだついているものは若い竹の目印なのだそう。そうした竹は残し、将来のたけのこ育成のために保護します。

竹を使うことは単なる資源の消費ではなく、竹林の健全な循環を促すサステナブルな活動でもあります。

自然の恵みを活かしながら、次の季節の豊かさにつなげていく。そういった視点も、今回の竹キャンプの大切な学びのひとつでした。

午後から2チームに分かれて竹を使って制作活動

午後からは、取ってきた竹を使って制作活動を行いました。

まずは、竹の箸作りから。

竹をナタで割って、削って、お箸を作ります。

ナタって刃がむき出しで、慣れていないと結構怖いと思うのですが、小さい子たちも物おじせず上手に削っていました。

箸づくりが終わったら、竹のジャングルジムとベンチ制作。2班にわかれます。

竹島の竹は本土にあるような孟宗竹と異なり、とても細い琉球竹という種類です。

あんな細い竹でジャングルジムなんて作れるの?と疑問だったのですが、3本の竹を組みあわせることで強度を上げるとのこと。

3本の竹を麻のひもで結びます。

この3本の竹をベースに組んでいきます。

あっという間にフレームが完成。

子どもたちも紐を巻いたり、長さがふぞろいなところをカットしたりと大活躍。

ベンチ制作チームも、ジョイント金具を使って組み立てていきます。

まずはベンチの大枠から。

座面は竹を麻ひもで編みこんで並べて作ります。

午後2時から約3時間、どちらのチームもほとんど休憩もせずに一生懸命作業に取り組んでいました。

竹のジャングルジム&ベンチが完成!

完成品はこちら!

竹のジャングルジムは、島内にある公園に設置。

その後、子どもたちの手で日々少しずつカスタマイズされています。

ベンチは学校に設置されました。

夜はみんなで焼肉で反省会

作業の後は、みんなで焼肉パーティ。

本当は外でバーベキューの予定だったのですが、天気の都合で室内になってしまいました。

ちなみにバーベキューでは、竹のはんごうでご飯を炊く予定でした。

練習して、ちゃんと炊けることは検証してあったのですが、残念。

次回、リベンジしたいと思います。

竹がつなぐ、自然と暮らしのサステナブルな関係

竹は、成長が早く、使い終わった後は土に還るサステナブルな素材です。

さらに、竹を伐ること自体が竹林の整備につながり、春にはたけのこが元気に育つという自然の循環を生み出します。つまり、使うことが守ることにつながるのです。

子どもたちが竹を使ってものづくりを体験することは、単なる工作ではなく、地域の自然資源をどう活かし、どう守っていくかを考えるきっかけにもなります。

竹島の竹林を整備しながら、未来のたけのこを育てる。そんな持続可能な暮らしのあり方を、体験を通じて学ぶ良い機会になったのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

やまざきたかこ

鹿児島市から三島村竹島に移住して11年目。 竹島で唯一の商店「竹のいえ」で店長代理しながらWebコンテンツ制作&ディレクションをメインに、Instagram運用のビジネスオンラインスクール講師もやってます。 合同会社Kurumirai代表。

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