令和7年4月1日現在、三島村の人口は328人。昭和35年国勢調査では1,363人だったらしいので、なんとこの65年の間に人口約75%減!この数字だけ見たら、相当ヤバい!と思いますよね。でも、地域振興や人口問題などの地域経済の専門家・藻谷浩介さん曰く、「三島村は世界の最先端」なのだそう。藻谷浩介さんが三島村各集落で行われた地域おこし交流会で登壇してくださったので、お話を聞きに行ってきました。
地域エコノミスト・藻谷浩介さんって?

藻谷浩介(もたに こうすけ)さんは、地域経済や人口動態の専門家。
日本総合研究所の主席研究員で、全国各地で地域調査や講演活動を行っている方です。
地方創生や持続可能な社会のあり方について広く提言していて、年間300回以上の講演をこなしているのだそう。
自費で世界各地を訪れ、自らの目で現地の実情を確認していて、「自分より地理に詳しい人はいない!」とおっしゃっています。
現地で得られた知見をもとに、講演や執筆活動を行っているそうです。
藻谷浩介さんから見た三島村の人口
藻谷さんがお話ししてくださったのは、「皆が気付いていない人口の真実」について。
なんとなく「東京は人口が増えている」「若い人は東京に集まっている」「地方都市は高齢化が進んでいる」ってみんな思っているけど、数値で見たら実は全然違うんだよってお話でした。
高齢者が減少している三島村

今、日本は少子高齢化っていわれているけれど、実は三島村の75歳以上の高齢者はむしろ減っている状態です。
そしてこの現象は三島村だけではなく、他の小さな離島でも起こっているんだそう。
実は高齢者が増え続けているのは、東京と福岡くらいだけなんだとか。
地方は高齢者がどんどん増えて若い人がいない…ってイメージが先行してしまっていますが、実際はそうとも限らないんですよね。
そして三島村に関しては、若年者の人口比率が高いし、赤ちゃんの数も多いという数字上の事実が。
たしかに、ここ数年、他の島ですが赤ちゃんをよく見ます。
ただ、これに関しては、三島村の場合は高齢者で病気になってしまうと住みたくても住めなくなってしまうというのと、しおかぜ留学制度で子どもの数が増えているのが一因だとは思いますが。
数字だけ見ると、たしかに少子高齢化ではないように見えました。
藻谷さんが見る2050年の世界

今から25年後の2050年、世界の人口はどうなっているのでしょうか。
2024年時点の世界の人口は約81億1,900万人。わたしが学生時代には55億人って習った記憶があるので、世界の人口はどんどん増えているように見えます。
が、伸び率はすでに鈍化しています。
今はまだ勢いのあるインドやアジアの国も、25年後には少子高齢化が進んでどの国も衰退しているというのが大筋の見方のようです。
しかし藻谷さんが考える未来は、少し違っていました。
藻谷さんが予想する未来は
「日本の地方の一部が子どもの再増加を実現し、一足先に再生に向かう」
そして、その日本の地方の一部に三島村が当てはまっているらしい…?!
藻谷さん曰く、人口は少子高齢化を経た後は高齢者が減少に転じる。そして、そこから出生率が回復して、地域は再生を果たすんだそうです。
そのため、”数字で見ると”すでに三島村は高齢者が減って若年者が増えているので、世界の70年、80年先をいっている最先端の地域なのだというお話でした。
講演後はみんなで交流会
1時間ちょっとのお話のあとは、みんなで藻谷さんを囲んでの交流会も。
さすが、誰よりも地理に詳しいというだけあって、みんなの出身地を聞いて「あー、あそこに○○あるよね!」と地元トークしてました。
すごい…!
数字で見る三島村は世界の最先端だった!

土地柄、地方創生や地域おこしの専門家の方が三島村に不定期に来られて、いろんなお話をしてくださいます。今回は数字で見せるという面白い切り口で、データ大好き人間のわたしはとても興味深く聞かせていただきました。
数字だけですべては計れないし、そもそも母数が小さすぎてちょっとの変化が大きな数値になってしまうとかあるんですが、何はともあれ「三島村は世界の最先端」というのはとても良いキャッチなので、こっそり推していこうと思います。
貴重なお話ありがとうございました!
投稿者プロフィール

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鹿児島市から三島村竹島に移住して11年目。
竹島で唯一の商店「竹のいえ」で店長代理しながらWebコンテンツ制作&ディレクションをメインに、Instagram運用のビジネスオンラインスクール講師もやってます。
合同会社Kurumirai代表。
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