6月29日、深夜。最後のH2Aロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられました。日本の宇宙開発を支え続けた主力ロケットの最期を見届けるべく、家族で眠い目をこすりながら牧場へ向かい、無事見届け。三島村竹島から見たH2Aロケット打ち上げの様子を紹介します。
日本の宇宙開発を支えたH2Aロケット

H2Aロケットは、日本が誇る大型ロケット。2001年から打ち上げが始まりました。
衛星や探査機を宇宙に送り出す頼もしい存在で、種子島宇宙センターからこれまでに40回以上の打ち上げに成功。成功率は97%を超え、日本の宇宙開発を支える「エース」的なロケットでした。
しかし、技術は日々進化しています。より高性能でコストも抑えられる後継機「H3ロケット」が登場し、今回の打ち上げがH2Aの最後のフライトとなりました。
そして今回、その最後の打ち上げに搭載されたのが、温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW(GOSAT‑GW)」。
地球の温室効果ガスや水循環の観測を目的とした重要な衛星で、いわば地球の環境を見守る使命を持っています。
H2Aロケットの最期を見届けよう!

H2Aロケットの終息は、日本の宇宙開発の一区切り。
種子島宇宙センターや内之浦宇宙空間観測所といった日本の宇宙開発における重要な拠点のある鹿児島に生まれ育ちながら、実はわたし、ロケットの打ち上げって見たことなかったんです。
今回はせっかくそんな歴史的な場面に立ち会えるならってことで、H2Aロケット最期の打ち上げを見届けることにしました。
竹島からロケットの打ち上げは見える?
わたしが住んでいる鹿児島県三島村の竹島は、種子島から海をはさんですぐ近く。宇宙センターからは約60キロほどの距離です。
これくらいの距離感なら、遮るものもないしロケットの打ち上げもきっと見えるはず!
近いとはいえさすがに距離はあるので、振動や爆音は届かないかもしれませんが、視覚的にはしっかり見えそう。
打ち上げ時間は深夜1時33分
今回の打ち上げ時刻は、深夜1時33分。
完全な真夜中です。竹島の夜は街灯もほとんどなくて真っ暗なので、きっときれいに打ち上げの光景が見えるのでは??と期待も膨らみます。
とはいえ、果たしてちゃんと起きれるのか…?
深夜の牧場でH2Aロケットの打ち上げを観察
子どもたちもロケットの打ち上げを見たい!ってことだったので、お友だちも我が家にお泊り。早々にお風呂もご飯も済ませて、仮眠。
大人は1時半まで起きていよう!って思ってたのですが、ついつい仮眠してしまい…
起きたら、深夜1時24分!!!

急いで子どもたちを起こし、車に乗せて、牧場へ向かいました。
竹島の絶景スポット・牧場から打ち上げを見守る
牧場に到着したのは、打ち上げのほんの数分前でした…笑。
竹島のどこから一番きれいに見えるか考えた結果、牧場を選択。

人工の灯りがなく、見晴らしもいい。夜空を邪魔するものが何もないんです。
このあたりは初日の出もきれいに見える、竹島の絶景スポットです。
まるで日の出のようなオレンジの光
真っ暗だった空に突然、光が灯ります。

イメージ的には、めっちゃ早く昇る初日の出。
驚いたのは、その時の異常なほどの静けさ。音が全く聞こえないんです。
光の速度と音の速度は違うって、そういえば理科の時間に習ったなぁって思い出しました。
あんな強い光が見えているのに、音が全く聞こえないって不思議な感じ。
遅れること数分、「ゴォォォォォォ」という低い重たい音が、海を越えてやってきました。

この距離でもかなり大きな音が聞こえたので、おそらく種子島の人たちは音や振動がすごかったのではないでしょうか?
衛星分離まで無事に見届けました

打ち上がってから15分くらいかな?
オレンジの光が急に2つに分かれて、1つが落下。
衛星を切り離したんですね。(子どもたちに教えてもらった)
すでにかなり遠くまで飛んでいるはずですが、結構はっきりと分離されたのが分かって感動しました。
鹿児島県民みんなロケットの打ち上げを見るべし

今さらながら初めてロケットの打ち上げを見ましたが、これはみんな見た方がいい。最期のH2Aロケットの打ち上げを、この目で見届けられたこと、竹島から見られたこと、本当に良かったと思います。
次はH3ロケットの時代がやってきます。もし種子島や屋久島、奄美方面に来る機会があれば、ぜひロケットの打ち上げをタイミング合わせて狙ってみてください。映像で見るのとは全く違う、心が震える体験ができるはずです!