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豊年祭 ― 太鼓の音が響く、喜びの季節がまたやってくる

昨年の感動がよみがえる

太鼓の音が夜明けの空に響いた瞬間、赤連集落が一気に「祭りの島」へと姿を変えた。
昨年の豊年祭は、笑顔と拍手と感謝の声に包まれ、集落全体があたたかい一体感に包まれた。

神事で静かに祈る人々、力強い太鼓のリズムに合わせて舞う町民、無邪気に踊る子どもたち。
世代を超えた輪の中に、島の文化と誇りが息づいていた。

準備から始まる“祭り”

赤連集落では、豊年祭は当日だけでなく準備の時間こそが祭りの始まりだ。
昨年も、青年団や婦人会、子どもたちが総出で公民館の飾り付けや太鼓の稽古に励んだ。

「この縄は、昔から同じ結び方でなきゃいけないんだよ」
年配の方がそう言いながら手ほどきする姿に、受け継がれる文化の重みを感じた瞬間だった。

子どもたちの“初土俵” ― 笑顔で祝う相撲

午後になると、公民館に笑い声が響く。
赤連集落では、豊年祭の楽しみのひとつが 子ども相撲
裸足になった子どもたちが円陣に集まり、真剣な表情で取り組みに挑む。

「はっけよーい、のこった!」
力いっぱい押し合う姿に、観客からは自然と拍手と声援があがる。
勝っても負けても、泣きながら、笑いながら子どもたちはこの島の未来を体いっぱいで表現している。

この子ども相撲は、「力くらべ」だけではなく、実りを祝う大切な神事の一部
祖先に感謝し、次の世代に力をつなぐ“象徴的な瞬間”だ。

輪になる笑顔、響く太鼓

今年も、11月に

今年の豊年祭は11月に開催予定。
「また太鼓の音が聞けるね」
「子どもたちの相撲、楽しみだな」
そんな声が、すでに集落のあちこちから聞こえてくる。

豊年祭は、島の伝統を守りながら、未来へとつなげる“かけがえのない時間”。
太鼓と子どもたちの声が響く集落内に、また新しい季節がやってくる

  • 取材地:喜界島・赤連集落
  • 行事名:豊年祭
  • 開催予定:2025年11月8日(土)

編集後記

太鼓の音と子どもたちの声が響く赤連集落の豊年祭。
取材をしながら何度も感じたのは、「この島の祭りは、みんなでつくっている」ということでした。

神事の厳かな空気の中にも、どこか柔らかくて温かい雰囲気がある。
それは、お年寄りから子どもたちまで、一人ひとりがこの祭りを大切に思い、心を寄せているからこそ生まれる空気です。

特に子ども相撲の時間は、まさに“島の未来”が見える瞬間でした。
勝って泣いて、負けて笑って、そのすべてが、島の文化を次の世代へとつないでいる。

今年の11月、再びこの場所に太鼓の音が響くとき。
昨年と同じように、いや、きっとそれ以上に温かい光景が広がるはずです。
そんな時間を、また多くの人と分かち合えたらと思います。

投稿者プロフィール

どき かずき

土岐和貴(どきかずき)39歳 はろーじー代表/喜界町議会議員2期目 【事業内容】 ●動画制作・パソコン講座・HPデザインなど ●セカサポ(生活サポート・家事代行サービス) 【議員活動】 喜界島はかけがえのない存在。 先人たちが築いてきた島を守っていくために。 そして子どもたちの未来のために活動中。

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