皆さんは沖永良部島と聞いて何を連想されるでしょうか??ぶっちゃけ、え?そんな島知らない!とか、沖縄の離島とかでしょ?みたいなリアクションが一般的です(笑)。ちなみに現在空港の名前が「えらぶゆりの島空港」となっています。その名の通り百数十年の昔から「ゆりの島」そして「花の島」として世界に名を馳せていました。また、今度じっくり「えらぶゆり」の話は書かせていただくとして、現在はCave(洞窟)+ing(現在進行形) = ケイビング(洞窟探検)の聖地として、コロナ禍前は年間2,000人を超えるお客様がこれを目当てに沖永良部島を訪れていました。そして、今もなお大人気です。この人気のアクティビティがいかにして生まれたのかをご紹介していきます。

神秘的な空間が広がる洞内

洞窟は昔は近寄ってはいけない場所だった・・・。

沖永良部島は隆起珊瑚礁の島であり、いわゆる地下は琉球石灰岩によって形成されている。島の高台の越山(約180M)と大山(約240M)の上層にある基盤岩に降り注いだ雨は琉球石灰岩を溶かしながら地下に流れ、そして絶妙の位置と角度でタイミングよく隆起した島の地下は山頂から放射線状に地下洞窟が形成されて今に至っている。島の所々に地表に現れた洞窟に少し入るとそこには水が現れ、昔は水汲みに使われていた神聖な場所であったり、戦時中は防空壕に使われ空襲を避けるために利用されたりしていた。いわゆる、怖いところ(ヌンギドコロ)であった。私もそんなふうに言われて育ったうちの一人であった。

ジッキョヌホーと呼ばれる昔の水場、神聖な場所である。

様々な大学の探検部の存在

しかし、一部のコアな人たちの間では密かに名を馳せていたようだ。それは様々な大学の探検部である。15年ほど前は私は島の交通網を司どる会社で働いていた、大阪から早朝に沖永良部に入港してくるフェリーで大量の荷物を担いで降りてくる学生さんたちがたくさんいた。本当に大量のアウトドアギア??だった。(※なぜか扇風機とかもあった気がするけど笑)それが大学の探検部だ!歴史は長く大学によっては40年以上の歴史のある活動だ。まあ、もちろん洞窟は自然のものであるしある種「登山」と一緒で自分の装備を準備してくればちょっと行って帰ってくることができるただの場所であった。

厚生労働省の地域雇用創造推進事業の採択

そんな中、地方創生が叫ばれ始め地域資源を活用して雇用を生み出そうと見出しのようなカタイ(w)名前の事業を町(知名町)が採択を受けて、たくさんある「地下洞窟」を活用してアクティビティプログラムにしよう!と始まりを迎えたのが平成19年!この今をときめくケイビングツアーの始まりです。洞窟探検のガイドの育成が1年をかけて始まったのです!僕も当時会社員でしたが本当に悩みました・・。(笑)結果エントリーしなっかたんですけど・・・。エントリーしてたらまた違った人生を歩んでいたかもしれません(笑)。今だから言えますけど!1年目は3名のガイドが誕生してそこから3年間10名を超えるガイドが誕生するのでした。今思えば、当時の役場の担当者はスーパーファインプレイですよね!こんなに素晴らしいプログラムと雇用が生まれたわけですから(笑)

ガイドの演出が秀逸すぎます

ケイビングアクティビティの幾つかの「妙」

私が観光協会の事務局長として沖永良部島のプロモーションをするときに必ず1丁目1番地のコンテンツはケイビングでした!それはなぜか?
もちろん沖永良部島にしかないものだというのは大前提で
 ①「圧倒的に写真が綺麗」
なことでした。SNSの時代に突入して「映え」という言葉が市民権を勝ち取ってっきた時代にまさにマッチしていたことだと思います。
あとは、
 ②「価格」
です。当時(消費税増税前)は15,000円おひとり様という価格設定が「高い」という意見が多かったのですが、ダイビングも一般的に体験ダイビングなど半日遊ぼうとするとこのくらいはお金がかかるものだということをわかった上で値付けに踏み切ったことです。「値決めは経営」という言葉がありますがまさに価格設定の妙がこの持続しているツアーを支えていることは間違いありません。
そして、
 ③「演出」
の妙です。適正につけられたこの価格設定によってガイドの皆さんがきちんと設備投資を行い水中ライトやカメラなどをアップデートしてこの素敵な演出ができる好サイクルを生み出したのです。なので①〜③は全て繋がっています。

まだまだ、妙はたくさんあるんですけど紹介するとかなり長くなりそうなので後編に続くことにします。ワクワクしますよね!

お問合せお申し込みは下記ホームページよりお入りください。
一般社団法人ケイビング協会
一般社団法人ケイビングガイド連盟
世界屈指のガイドたちが皆様の沖永良部島へのご来島をお待ちしております。

投稿者プロフィール

oldie-village(古村英次郎)
oldie-village(古村英次郎)株式会社 oldie-village 代表取締役
●経歴/実績
・鹿児島県沖永良部島に生まれる
・鹿児島県立沖永良部高校卒業
・中京大学体育学部卒業
・オーストラリア、ケアンズでダイビングのインストラクターとしてGBR(グレートバリアリーフ)の水中ガイドを経て名古屋の海外旅行専門の旅行会社で旅行業に携わる
・長女の出産を機に故郷沖永良部島(おきのえらぶじま)へUターン
・島の交通や運送を司る企業での実務を経る
・島の観光協会の初代事務局長に就任
・島の二つの町(沖永良部島は2町1島・和泊町/知名町からなります)の観光協会の一元化、法人化
・地域のプラットホーム(DMO)の基礎を作る
・地方の脆弱な観光予算の中、会員の皆さまと共に情報の一元化をすべくWEBサイトの立ち上げ、運営
・自主財源を獲得すべく島の特産品の販売を事務局内の店舗で開始、ECサイトも開設し運営を開始
・観光協会の旅行業登録を推進、着地型の体験観光組成に着手
 ※気軽にできる観光体験から島のメイン産業である農業体験の開発、企業研修のコンテンツのコーディネートからガイドまで一貫して行える仕組みを組成
・地方創生やコロナ対策の交付金を行政と連携し活用、事業を構築・実施
・DMO組織構築事業やブルーツーリズム・グリーンツーリズムの構築・運営、拠点整備事業の起案やその後の指定管理業務の実施【令和元年度版地方創生関係交付金の活用事例】に掲載
・国土交通省観光庁広域周遊観光促進のための専門家登録(2021.10)
・鹿児島県知事登録旅行サービス手配業者第20号登録(2022.03)
・株式会社 oldie-villge 設立( 2022.07.01 )