クリエイティブパフォーマンスBANの代表としてバルーンパフォーマンスをしたり、パフォーマーの発掘や支援・コンテンツ制作等の業務を10年以上行っている清永です。
今回は鹿児島での街づくりアイデアとしてパフォーミングアートの提案ができればと考え、主に東京で活躍している『ハードパンチャーしんのすけ』さんにコラムをお願いしました。
しんのすけさんは東京都が認定しているヘブンアーティストの1人であり、独自に『エンターテイメント亀戸!』という大道芸イベントも主催をなさっています。

目次
街を彩る『大道芸』
まちの中にある大道芸が好きです。
大道芸人として活動していますハードパンチャーしんのすけと申します。
自身のパフォーマンス活動とともに、場をつくり、まちに大道芸を届ける活動を、かれこれ15年ほど展開中です。
最近では、東京の東、江東区の亀戸にて「エンターテイメント亀戸!」(通称「エンカメ!」)という場を開いています。
2019年から開始したこの場には、2026年6月の段階で、北は北海道、南は鹿児島、沖縄からと、実組数217組のパフォーマーが大道芸に訪れてくれました。

ステージ上でしっかり披露する芸も素敵ですが。
道行くひとの足を止め、共犯関係をつくりながら、みんなで一体感を持って楽しむ。そんな大道芸が好きです。
それは、ジャグリングを覚えたばかりの頃に見た大道芸の原体験が大きく影響しているのかもしれません。
初めて見た大道芸…横浜・野毛大道芸の体験は、圧倒的でした。いつの間にか巻き込まれ、一緒になって声を出している。当時、内気で控えめだった私が。
野毛大道芸は、その時から四半世紀経った今も続く、大道芸フェスティバルですね。
その頃はまだ、日曜日になると開かれる歩行者天国(例えば、新宿)には、大道芸人がどこからともなく集まり、大道芸が披露されていました。
しかし、社会情勢の変化とともに、都内では歩行者天国自体が少なくなってきたし、あったとしても管理が厳しくなり、現在は大道芸が歩行者天国に入り込む余地は無くなっています。
今主催している亀戸での大道芸「エンカメ!」は、そんな過去の歩行者天国への憧れが混じっています。
大道芸をやりたい人が集まって、芸をする。
まちを通りがかった人が、引き寄せられて、輪をつくり、不意に楽しむ。
そんな時間。
大道芸を見慣れているひとが訪れて、大道芸を見て、
「亀戸のまちは良い雰囲気のまちですね」
と感想を漏らす。
もしくは、
「亀戸のひとは、あたたかいですね。」
と多くのひとが、その日の大道芸の喜びを表現する。
「亀戸、おもしれー!」
と帰り際に自転車を疾走させながら叫ぶ少年。
そして、通りかかった昔から亀戸に住むようなお年寄りの女性が、
「こんなに楽しかったのはほんと久しぶりだは」
と涙目になりながら語ることも。
エンカメ!は、少しずつではありますが、「大道芸の場」になったんだと感じています。
「大道芸人」「大道芸ファン」のみならず、まちの人もが、亀戸が今までよりもちょっと好きになる。
様々な立場の人が、まちを大道芸をふらりと楽しむ場になってきてる手応えがあります。
昔感じたあの空気。
大道芸が生み出す場の吸引力とでも言うのか、まちの空気が微熱を孕むあの感じ。
今、月に一回、エンカメ!の場に立つ時にその空気を吸っています。

先に述べたように、エンカメ!には、それこそ日本全国から様々なパフォーマーが集まって来ています。
そんな人たちを見ていて、共通して感じることがあります。
皆、技術があるだけでなく、こだわりがあり、好きがあり、自分のショーを確立せんとしている。
そして、そんな心を持っているひとたちが集まる時間は、とてもハッピーな空気が生まれています。
それがまちに伝わり、だからこそ、少しずつまちに受け入れられてきたように感じています。
大道芸がつくる町なかの空気が、私は好きです。
もしまちで大道芸を見かけたら、少しだけ立ち止まってみてください。

大道芸人/ジャグラー。
エンターテイメント亀戸!主催
2002年から、プロパフォーマーとして活動を開始。以後、ジャグリングとともに生きています。
実は、祖父は鹿児島出身。
ハードパンチャーしんのすけ:https://shinnosuke-hp.com
エンターテイメント亀戸!:https://www.kameidodaidogei.com
X(旧Twitter): @shinnosuke_hp

