「朝ラー」という言葉をご存じでしょうか。朝食としてラーメンを食べる習慣のことで、
福島県喜多方市などでは古くから親しまれている食文化です。
一般的には、こってりしたラーメンではなく、あっさりとした味わいの一杯を朝に楽しむスタイルが多いそうですが、
鹿児島ではまだあまり馴染みがありません。
「朝からラーメン?」起きたばかりの胃袋が、あのラーメンを受け付けてくれるのか❓
そんな疑問を、自分自身で確かめてみたくなった。
兼ねてから気になっていた霧島市福山町の「伊達商店」を訪ねてきました。

お店は海沿いの古民家をリノベーションした趣のある建物。目の前には錦江湾が広がり、晴れた日には桜島を望める絶景が迎えてくれます。あまりに景色が良くて、思わずそのまま通り過ぎてしまいそうになるほど、、、
とにかく、黄色い旗が目印です。
実はこの建物、店主・富澤英里子さんのお祖父さまが暮らしていた家なんだそう、
親しみの湧くその場所は、新たな挑戦の場として生まれ変わらせました。

伊達商店代表 富澤 英里子さん
開業以来、近所の方から「今日も車がいっぱいで賑わっているね」と声を掛けられることも多く、地域の人たちにも温かく見守られているそうです。

富澤さんが目指しているのは、ラーメン店を営むことだけではありません。おおl
創業200年以上の歴史を持つ伊達醸造の味や伝統を、より多くの人へ届けること。その想いを胸に、新たな挑戦を続けています。ラーメンに使われる醤油や黒酢などは、長年受け継がれてきた伊達醸造の発酵調味料。ラーメンをきっかけに醸造所を訪れる人、醸造所で商品を知ってラーメン店へ足を運ぶ人も増え、お互いの魅力を伝え合う良い循環が生まれているそうです。
その挑戦は福山町だけにとどまらず、東京への出店という新たな一歩にもつながっています。地域で受け継がれてきた味が、県外へ、そして全国へと広がろうとしています。
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今回私がいただいたのは、「壺そば 黒酢が香るごま担々まぜそば」。
スープのない一杯ですが、よく混ぜると黒酢の爽やかな香りが立ち、ごまのコクとほどよい酸味が絶妙に調和します。
「朝からラーメンは少し重いかも…。」
そんな先入観は、ひと口食べた瞬間に消えました。
黒酢のさっぱりとした後味も心地よく、朝でも無理なく食べ進められ、気が付けばあっという間に完食。朝だからこそ楽しめる一杯があることを知りました。
鹿児島では、まだ「朝ラー」という言葉を耳にする機会は多くありません。
しかし、その一杯の向こうには、200年以上受け継がれてきた醸造の歴史を未来へつなごうとする想いがありました。
鹿児島にも「朝ラー」文化は根付くのか。
その答えは、まだ誰にも分かりません。
でも福山町には、その一歩を踏み出している一軒があります。
新しい朝の楽しみ方として、これから少しずつ広がっていくのか――。
