知人から「南さつま市に面白い人がいる」と聞き、紹介をしてもらいました。

現在、南さつま市の市議会議員をされている加藤彰さん。

平成28年から平成31年まで、南さつま市で「サイクルツーリズム」に関わる地域おこし協力隊として活動されていました。任期終了後に、埼玉県に就職をし2年半の時を経て、再び南さつま市へ戻ることを決意。

なんと埼玉県から鹿児島県南さつま市まで「自転車」で移動されたそうですよ! 思わず「自転車で? 」という声も聞こえてきそうですが、加藤さんは自転車で世界を旅したことがあるのです。

自転車で世界を旅するとはどういうことだろうと思い、ライターの上村が加藤さんにお話をお伺いすることにしました!

自転車の原点は小学3年生の時

加藤さんは鳥取県のご出身です。
小学3年生の頃から自転車にハマりはじめました。

地学や歴史が好きだったことから、「化石掘り」によく行っていたそうです。もちろん自転車で! 時には、3時間ほどかけて32km先の松江市まで自転車で行っていたとのことですよ。

「いつか色々な世界に行ってみたい」という思いがあり、サラリーマン時代に自転車を持って、アメリカの国立公園などを旅したことも。有給休暇中だったので、滞在期間は1週間ぐらいだったそうです。

2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件をきっかけに、「悔いのない人生を歩みたい」という気持ちが大きくなり、勤めていた会社を退職しました。そして、自転車で世界を旅する決意をします!

走行国数は、なんと111カ国。
9年11ヶ月をかけての世界自転車旅だったそうです。

もちろん、約10年間ずっと自転車で世界の旅をしていたわけではありません。7回に分けてです。

世界自転車旅に必要なのは「下準備」

体を休める目的と、ご自身の家族に無事を報告するために一旦帰国をし、次の旅先の情報を集めて再び出国という流れを繰り返しました。

日本人が海外旅行をする際に「パスポート」が必要です。各国の政府が発行するもので、国籍などの身分を証明するために非常に大切なものです。

実は、渡航先によってはパスポート以外に「ビザ」が必要な場合があります。渡航先の国が入国を許可するために発行する「入国許可証」のようなもの。

滞在期間は国によって条件が違うので、そういった情報もしっかりと頭に入れておかないといけません。

入国チェックが厳しい国もあるので、「国の情報を仕入れるなどの下準備は大事」だと加藤さんが仰っていました。

111カ国の世界自転車旅の様子

すべての旅を詳しく書きたい気持ちをグッと押さえて、加藤さんの写真とともに雰囲気をご紹介します! (写真もたくさんあったのでピックアップしました)

第一次:南米
ブラジルのクイアバから南米諸国を周遊しブラジルのサンパウロまで自転車で走行。

第2次:アフリカ東部から南部
エジプトのカイロから南アフリカのケープタウンまで自転車で走行。

第3次:北米から中米
アラスカのフェンバンクスからパナマのパナマシティまで自転車で走行。

第4次:オーストラリア
ダーウィンからアデレードまで自転車で走行。

第5次:北欧から西部アフリカ
スウェーデンのストックホルムからナイジェリアのカノまで自転車で走行。

第6次:中部アフリカ
チュニジアのチュニスからコンゴ民主共和国のキンシャサまで自転車で走行。

第7次:ユーラシアを往復
韓国の東海→スペインのバルセロナ経由→中国の桂林→日本の米子市へ自転車走行。

自転車での走行距離は、地球3周半にもなる140261km! すごいですよね。

旅を通して許容範囲が広がっていった

各旅は、だいたい1年ほどかけてされていたそうです。最後のユーラシア大陸は、約3年かけての旅だったとのことです!

長期間での自転車の旅なので、宿泊先のことなど気になりますよね。
7割が野宿で、3割が安い宿に泊まるという旅の仕方。

どこでも野宿ができるわけではないので、地図を見ながら野宿ができそうな場所を探したと仰っていました。回数を重ねる毎に、直感で野宿ができる場所が分かるようになってきたそうですよ!

時には、旅先で出会った優しい人の家に泊めてもらうこともあったとのこと。色々と面白いエピソードがあるんですけどね…。こちらの記事だけでは収まりそうにありません。

旅の様子が気になる方は、加藤さんのブログを読んでください。

世界自転車旅かとうあきら

自転車で世界を旅したことで、変わったことを加藤さんにお伺いしました!

「なんでもありと思えるようになり、許容範囲が広がった」

旅の7割を野宿するという経験があったからこその言葉ですよね。日本は蛇口をひねれば安全な水が出てきますが、そうではない国もたくさんあります。水を得るために大変な思いをされることもあったかと思います。

加藤さんのお話から、「さまざまな経験を積んでいくことで、見える世界は変わってくる」ということを教えていただきました。

わたし達が「できない」と思っていることの大半は、経験不足からくるものかもしれません。豊かな経験を増やしていくことで、いざという時を乗り越えられる力が自然と身についていくのだと加藤さんの旅の経験から学ぶことができました。

投稿者プロフィール

上村 ゆい
上村 ゆいヨガインストラクター×フリーライター
ヨガインストラクター×ライター。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクターです。その人に合ったレッスン内容を心がけているので、老若男女問わずレッスンを受けていただいています。ヨガレッスンは、出張ヨガとオンラインヨガのみ。趣味は、美味しいものを食べること。ライターとして鹿児島のいろいろを発信していけたらと思います。