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描くことで、支える-【draw for project】漫画家・イラストレーター/白水汰一

地震や豪雨など、自然災害のニュースを目にするたびに『いつもの日常』が突然奪われることの重さを思う。被災された方々の力になりたい。そう願っても、時間が経つにつれて報道は減り、私たちの関心も少しずつ薄れてしまうこと、ありませんか?

ニュースで取り上げられなくなったからといって、復興が終わったわけではない。今この瞬間も、支援を必要としている人がいる。各地で災害が起こるたび、私たちにできることは何か、遠く離れた場所で暮らす人々に思いを寄せ続けることの意味を考えさせられます。

今回は「自分にできることで誰かを支えることはできる」そんな思いを形にしている鹿児島生まれ、鹿児島在住の漫画家・イラストレーター白水汰一さんが取り組む「draw for project」についてご紹介させてください!

漫画家・イラストレーター/白水汰一

白水汰一(しろうず たいち)

1992年生まれ、鹿児島県鹿児島市在住。漫画家・イラストレーター。
Webtoon(縦読み漫画)のネーム制作を中心に、商業漫画やイラストレーションなど幅広く活動。

Webtoon作品『セイサイのシナリオ』『愛妻弁当は不倫に含まれますか?』(LINEマンガ等で配信)などの制作にネーム作家として参加。2025年6月には鹿児島市のポランカギャラリーにて、初個展『S – Surface & abysS』を開催。
2026年には、熊本地震の被災地支援を目的としたチャリティー似顔絵プロジェクト「Draw For」を立ち上げ、地域でのアート活動にも取り組んでいる。

初個展 S-Surface&abysS

* Instagram(個人)
https://www.instagram.com/shirouzutaichi?mdxt=MXJ0ZTYzajV1ZHNmeg%3D%3D&utm_source=qr

* Instagram(draw for)
https://www.instagram.com/draw_for_project?exln=MTd1anJzN2h6c2hneA==

きっかけは、クリエイター仲間の存在

漫画家・イラストレーターとして実績を積んできた白水さん。2026年7月28日に発生した熊本地震を受け、支援活動としてdraw for projectを立ち上げました。

きっかけは、白水さんと親交のあるクリエイター仲間の存在でした。

熊本在住のクリエイター仲間が鹿児島を訪れた際、能登の復興支援プロジェクトに関わっていることを知った白水さん。自身もその活動に協力した経験がありました。

そして今回、熊本で被災があったことを受け「自分にも何かできることはないだろうか」と考えたことが、新たなプロジェクトの立ち上げにつながりました。

自分にできることは何か。

白水さんが選んだのは、漫画家・イラストレーターとして培ってきた、自分の得意なことを生かして支援するという方法でした。

ただ義援金を募るだけではなく、支援してくれた方にも、何か形に残るものを届けたい。そんな思いから生まれたのが「似顔絵を描いて得た売り上げを義援金として届ける」という仕組みです。支援する人は似顔絵を受け取り、白水さんは絵を描くことで支援に参加する。そして、集まった義援金を被災された方々へ届ける。

支援する側とされる側が、一方通行ではなく、互いに何かを届け合えるような活動を目指しています。

第1回では23名の似顔絵を描く

2026年9月に第1回、そして10月は第2回目の活動が行われました。
第1回では、白水さんと共に活動をしているイラストレーターのjorijokoppyさんと総計23名の似顔絵を描いたそうです。
(活動報告についてはInstagramのdraw forアカウントでも行っています。)
https://www.instagram.com/draw_for_project?exln=MTd1anJzN2h6c2hneA==

イベントでは、知人や友人が足を運んでくれることも多いといいます。また、白水さん自身がイベントの開催場所へ出向き、その場で似顔絵を描かせてもらうことも。その一つが、西伊敷にある「あいなか」での活動です。

地域のコミュニティスペースにお邪魔してプロジェクトを紹介し、地域の方々の似顔絵を描く。活動を通じて、普段の仕事とはまた違った人とのつながりが生まれています。似顔絵を描いてもらう時間は、完成した絵を受け取るだけではありません。描き手と話し、同じ時間を過ごす体験そのものも、活動の一部です。

似顔絵展示とお渡し会

10月17日(土)に、【draw for】 第1回目の似顔絵展示・お渡し会が鹿児島市で開催されました。

場所は、鹿児島市の桜島Hub。
(鹿児島チャレンジの実験場・・!?)天文館の彦一だんごさんの目の前にあるお店。
会場には、一人ひとりの表情や雰囲気まで捉えた似顔絵が並んでいます。知人を描いた作品もあり「あ、あの方支援に携わってたんだなあ」などと思いも馳せながら鑑賞することができました。カラフルな背景が個性を引き立て、見比べるのも楽しかったです。

はまだ
はまだ

【展示会でも似顔絵を書いていただけるとのことで筆者も白水さんに似顔絵を描いていただきました!】

似顔絵を書いてもらったの、、、いつくらいぶりでしょうか。『自分のために描いてもらった一枚が、誰かへの支援にもつながる』

そう考えると、手元に残る似顔絵が、いつもとは少し違った意味を持つように感じられますね。

「draw for project」に込めた思い

今回の熊本地震義援金の活動は、10月30日をもって一旦締め切られる予定です。

では、その後の活動はどうなっていくのでしょうか。

白水さんは、今後も継続して活動していきたいと考えています。ただし、次の活動を始めるにあたっては、寄付先の検討や運営方法の構築を進め、支援を必要とする人へ確実に届けられる仕組みを整えたうえで告知したいといいます。

今回の活動では、被災された方々へ直接届けることを目的とした「義援金」を募っています。一方、一般に「支援金」は、被災地で活動する団体などへ寄付され、支援活動に活用されるものです。

どちらも大切な支援ですが、お金がどこへ届き、どのように使われるのかは異なります。

白水さんが大切にしているのは、集めることだけではなく、その先にいる人たちへきちんと届けること。

被災地と聞いて思い浮かぶのは、熊本だけではありません。支援を必要とする場所や人を一つに限定するのではなく、そのとき必要とされている場所へ支援を届けられる活動にしていきたい。

今後は「draw for ○○」という形で、支援先やテーマに合わせて活動を展開していく予定です。

また、鹿児島市内だけにとどまらず、さまざまな地域のコミュニティスペースへ足を運びながら、活動を継続していきたいと考えているそうです。

「誰かのために描く」ことで変わったこと

ここで、もう一つ聞いてみたかったことがあります。

はまだ
はまだ

白水さんは、漫画家・イラストレーターとして、これまでも仕事で絵を描いてきました。今回のように支援を目的とする活動では、「誰かのために描く」という気持ちに変化はあったのでしょうか?

白水さんは、仕事として描く場合には収入を得るという目的もある一方で、漫画であれば読者に楽しんでもらうこと、イラストであれば受け取る相手に喜んでもらうことなど、もともと誰かに届けるという側面があると話します。

そして、今回の活動を通じて、こんな思いを抱くようになったそうです。

白水さん
白水さん

「自分の利益を外し、誰かの力になりたい。誰かを思って描くという気持ちは強まり、それを仕事にも活かしたい」

この言葉が印象に残りました。

仕事として絵を描くことと、支援のために絵を描くこと。目的は異なっていても、その先には作品を受け取る誰かがいます。自分の技術を使って、誰かを楽しませる。喜んでもらう。そして、時にはその力を、困っている人を支えるために使う。今回の活動は、白水さんにとって、絵を描くことの意味を改めて考える機会にもなっているのかもしれません。

自分の「得意」が、誰かの支えになる

私たちは、災害のニュースを目にしたとき、「何かできることはないだろうか」と思うことがあります。

けれど、実際に行動に移すのは簡単ではありません。

そんなとき、自分の得意なことや好きなことが、誰かを支える手段になるとしたら。

「draw for project」は、その可能性を感じさせてくれる活動です。

絵を描くことが得意な人もいれば、人と人をつなぐことが得意な人、情報を届けることが得意な人もいる。それぞれが自分にできる形で関わることで、支援の輪は広がっていくのかもしれません。

もちろん、支援を続けるためには、思いだけでなく、寄付先や運営方法を整えることも欠かせません。善意を確実に届ける仕組みを考えながら、一歩ずつ活動を形にしていく。

鹿児島で生まれ、鹿児島で活動するクリエイターが、自分の表現を通じて社会とつながっていく。

白水さんの「draw for project」が、これからどんな人と出会い、どんな場所へ広がっていくのか。今後の活動にも注目したいと思います。


special Thanks
取材協力・一部写真提供
白水汰一さま
新名主敏史さま

投稿者プロフィール

はまだともみ

鹿児島(霧島市)生まれ、鹿児島育ち(鹿児島市在住)、鹿児島で子育て18年目。地元(鹿児島)愛が強めなworking motherです。 お仕事は中小企業で人事を担当。 趣味は、登山・料理・芸術鑑賞、時々ガーデニング(初心者)。 家を建ててから「照明」に興味がありDIYで自分好みの照明を作りたいな~と模索中!

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