ニューヨークタイムスへ風刺画を寄稿する事で名高い鹿児島県在住の風刺漫画家「坂井 貞夫」さん主催による『クロマニンゲン展』が2年ぶりに鹿児島市立美術館で開催。
 今年で12回を数えるこの催しは県内外から約30名のアーティストが参加。絵画・立体・写真等ジャンルを問わない芸術作品が約200点展示されます。
 この『クロマニンゲン展』はテーマの1つに「天才の発掘」があり、作品から新たな人間の可能性を感じ取ってもらおうという意図が存在します。
 今回は主催の坂井さんに変わった角度からお話しを伺いました。

<坂井 貞夫 プロフィール>
1939 鹿児島県宮之城町(現さつま町)生まれ
1984 ベルギー・クノック=ヘイスト国際漫画祭 1位ゴールデンハット賞
1986 「国際漫画シンポジウム」創設、25年に渡り国際漫画展を開催
1990 ソビエト・サバン国際漫画コンテスト 1位
2007 国連ニューヨーク本部 世界人権宣言60周年記念コレクションに収蔵
2011 「クロマニンゲン展」創設
 他、国際漫画展参加・審査員多数
 南日本新聞に「なんにち漫評」「んだも君」「ノンビー」等を連載
 現在、ニューヨークタイムス誌に寄稿・世界の新聞やwebメディアに配信

新たなる奇才を発掘し続けるクロマニンゲン展

ーー参加の枠は残っていますか?

 もう少々残っています。
 何が起こるか判らない状況を作っています。
 だからあまりきっちり決めるんじゃなくて、まず芸術家たちの気分というものを考慮した上で、ゆとりを持ってうっかりできあがった時に展覧会がもう終わってしまっているという事もありうるわけです。
 そうした非常にルーズな展覧会というか、きちっとしていないんですね。サイズにしてもジャンルにしても。
 そして展覧会の途中で持ち込んでみたり、途中で撤去したり…。そういう事もできるんです。

ーー会場に来て「ちょっと参加してみたいな」と思ったら、現場で相談してみるとか?

 その方法ですかね。『クロマニンゲン展』のお問い合わせ先に電話をもらって、会場に余裕があればスペースを整理する必要があるかもしれません。しかし、もうこの時期(この取材をした時点)になるとほぼ出そろったという感じですね。
 当日までわからないので数名ぐらいは入れるかもしれませんが、その時は上下に広げるとかですね。なんとかスペースを分け合ってやります。

ーー今回の『クロマニンゲン展』2年ぶりの開催なんですよね?

 そうですね。
 やっぱり展覧会はですね、作品だけが出るんじゃなくて『人が出会う』。作家たちが芸術家たちが顔を合わせる。非常に重要な部分の様でそれを期待してるっていう感じ。それと同時に見に来るお客さんがどういう芸術家なのか?という事を知るチャンスになるわけですね。芸術家が会場にいるというのは。
 芸術家はお喋りがあまりないので非常にシャイな人が多いです。そうするとシャイだけど、実は自分の作品を見てほしい。これをどう感じているかを知りたいという芸術家たち共通のときめきがあるわけですね。それに応える為の場を作ろうかなと思っているわけです。
 つまり、どういう風に具体的に作るかという事ではなくてですね。そういう雰囲気を作る芸術家の雰囲気というか…あるいは見に来たお客さんの好奇心というか…。そういうのがうまく出会うのは良いですね。

ーー新たに「クロマニンゲン展へ参加したい」と考える方もいらっしゃるかと思うのですが、なかなか踏み出せない方に向けてアドバイスをいただけますでしょうか?

 スケッチブックを持って会場に来てもらえればいいです。
 スケッチブックごとの展示もできますから…。
 要するに「自分は普段こんなことを作品を作っているんだ」という事がわかる。それはスケッチブックですからね。
 それからメモ帳でも良いですね。
 極端な話、ネタ帳でも良いわけですよ。そういうものを展示できるわけですから…。
 「そういう様な人間が普段何をしているかというのがわかる」そういう展覧会です。

 つまり芸術とかビジネスとか現代アートというジャンルというのを頭に置かないで、普段芸術家の皆さんは絵を描いているわけです。
『それを見たい!』
という事ですね。それが最も自然な人間の姿だろうという事です。

新たな可能性を見出してみる

ーー自分のスケッチブックとか…。造形なり、写真集なり、スマホなり持ってきて、アーティストの方たちにちょっと見てもらいながら意見もらったりとか。自分の気分が乗ってくれば、少し場所を用意してもらって展示参加する事ができますでしょうか?

 スマホを持ってきてくれる良いですね…。それに動画を撮っていたり、メモを入れていたりしますよね。それからできればそのジャンルとか技法も問わないスマホでの出品でも良いし、要するにそのクロマニンゲン展の会場で、その人間の普段興味を持って作っているものを…動画とかですね。何でもない景色を撮った写真でも良いわけです。
 要するに、その人の芸術の部分、芸術的表現の部分、これを見たいという事ですね。だから『壁に絵を飾る』というだけではなくて、『日常に近付ける』という事です。

 ああいう非日常空間『美術館』にちょっとこう形を整えてしまった中でやるんだけれども、そこで展開される芸術というのは『日常』です。『人間の日常』、『自然な日常』ですね。そうすると、そこにつまり『定義がない』んですね。「美術がこんなものだ」「芸術家なんだ」という定義がないんです。    「何が生まれるか分からない」という期待があるわけですね。
 そうすると、自分がやっている事は「これは芸術なんだろうか?」「何なのか?」「落書きなんだろうか?」何であるか?「絵画なんだろうか?」
その言葉で整理しようとします。
 それがいらないのです。
 自分が描いたものを、それを人間が要するに何をしているかという、人間が社会というシステムを作る前に何をしていたか?洞窟の中で何をしていたか?という時の自然な姿ですよね。人類だけを持っている『絵を描くという独特の本能』、この『人類独特の本能』を見たいという事なんですね。
 つまり、芸術が文明とか文化とか社会とかシステムに発展する段階で変形してきたわけですよ。それがたまたま今の人類の社会を作っているわけですけど、この社会の構造がそれで良かったのか?どうか?というのは今いろいろ疑問があります…。

【第12回クロマニンゲン展】
期日:2022年11月11日(金)~11月13日(日) 3日間
時間:9:30~18:00(最終日は16:00まで)
場所:鹿児島市立美術館 1F 一般展示室1 (鹿児島市城山町4番36号)
主催:クロマニンゲン展実行委員会
後援:MBC 南日本放送・KTS 鹿児島テレビ・KKB 鹿児島放送・KYT 鹿児島読売テレビ・南日本新聞社

投稿者プロフィール

清永秀樹
清永秀樹
クリエイティブパフォーマンスBAN/代表
さつま忍者研究会/代表
H26~H29 KADOKAWA Walker plus 鹿児島県地域編集長(最終役職)