下豊留です。
2023年度前期放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」
植物学者・牧野富太郎をモデルとした物語で、神木隆之介さんが演じられています。
牧野富太郎は、鹿児島にも調査に訪れています。
鹿児島県の県花である“ミヤマキリシマ”の名づけ親でもあるのです。
鹿児島県/県木・県鳥・県花 (pref.kagoshima.jp)

「らんまん」の物語に縁のある植物が、鹿児島にもあります。
鹿児島県立博物館の横、照国神社の前にある旧興業館前のソテツです。

旧興業館

旧興業館は、西南戦争後の明治16(1883)年建設。
県内では尚古集成館に次いで古い石造りの建物です。

旧興業館は登録有形文化財

大正3(1914)年の桜島の大噴火や昭和20(1945)年の空襲がありながらも、現在まで残っています。
物産陳列場や県立博物館として活用されてきましたが、平成14(2002)年に閉館。
私が物心ついた時には、中に入ることができなくなっていたため、お洒落な古い建物があるのにもったいないなと思っていました。
しかし、今年に入り「鹿児島ブランドショップ」を旧興業館に移転する方向で検討しているという報道がありました。
今後がとても楽しみです。

旧興業館も貴重ですが、旧興業館の前にある大きなソテツも大変貴です!
「世界で初めて精子が発見されたソテツ」として天然記念物に指定されています。
植物細胞学者である池野成一郎が発見しました。
朝ドラで万太郎の友人として登場する波多野泰久が、池野成一郎をモデルにしているといわれています(前原滉さんが演じられています)。

ソテツ

県立博物館や、照国神社に行かれる際は、ぜひ旧興業館とソテツもご覧ください。

また、現在牧野富太郎に関する資料を鹿児島県立図書館で見ることができます。
1階正面玄関ロビーにて開催中の貴重資料紹介展「薩摩博物学の夜明け」で、自寫本が展示されています。

鹿児島県立図書館1階ロビー

他にも、博物学に関する貴重な資料を見ることができます。
第8代薩摩藩主島津重豪が編纂を命じ、農業を研究した『成形図説』や、薬草を研究した『質問本草』、鳥の研究をした『鳥名便覧』

天文観測所明治館(天文館)をつくった重豪と、易学者の水間良実の銅像

鹿児島の魚を紹介する木脇啓四郎の『麑海魚譜』や、奄美研究には欠かせない名越左源太の『南島雑話』
加治屋町出身の植物学者・田代安定の日記など見ることができます。

田代安定の誕生地

入場無料、2023年10月5日(木)までです。
ぜひご覧ください!

投稿者プロフィール

下豊留 佳奈
下豊留 佳奈
オフィスいろは
下豊留佳奈(しもとよどめ かな)
鹿児島生まれの鹿児島育ち。
地元が元気になればと思いあれこれ活動しています。
共著に『鹿児島偉人カルタ55』(燦燦舎)
2021かごしまの新特産品コンクールで鹿児島県観光連盟会長賞を受賞しました。
第一工科大学と鹿児島第一医療リハビリ専門学校の非常勤講師
鹿児島県立図書館協議会委員
昔話と歩くことが好きです。