地元の民話を紙芝居で未来につなげる『桜島紙芝居』

 皆さんは今住んでいる場所の歴史や文化の事を説明して下さいと言われた時、どれくらい話ができますか?
 昔は歴史や文化を後世に伝える手段の1つとして『民話として言い伝える』という手法を行ってきました。
 現在では「何か民話を教えて下さい」と訊かれた時に多くの方は『桃太郎』や『一寸法師』といった全国的に知られた話しかできないと思います。
 しかしその土地の民族文化を探っていくと、多くの民話が伝えられてきた事に驚かれると思います。
 今回はそんな地元に残る民話を紙芝居として制作し、後世に残す活動をしている足立さんをご紹介致します。

今までに作った鹿児島の紙芝居が60本!

 足立さんは画像を見て分かる通り、体に不調を抱えながらも、精力的に紙芝居の活動を行っています。
 主な活動場所は鹿児島市桜島で、主に桜島公民館で子供たちに紙芝居の公演を行っています。

 鹿児島の民話を元に作った紙芝居が現在までで約60本。
 その中で桜島に伝わっていたものは12本あるそうです。

紙芝居を作るきっかけ

 2014年が桜島大爆発から100年の記念年という事で2013年から始めたそうです。
 初出しは2013年のアースデイイベントから。その後メディアに取り上げられた事で小学校や福祉施設へ呼ばれる事になりました。

紙芝居を楽しくする工夫

 足立さんの紙芝居は鹿児島弁で行われるのが特徴です。
 非常に個性的なパフォーンマンスなのですが、紙芝居を始めた当初は、鹿児島弁のわからない子供たちとかには反応がいまいちだったとか。
 そこを改善する為に鳴り物を導入しました。現在はオカリナを使っているそうです。

これからの展望

 「私は鹿児島弁を伝えたいんじゃなくて、民話を伝えたいんです」とおっしゃる足立さん。
 今後の展望としては、紙芝居活動を基本に置いた劇団を作りたいと考えています。
 紙芝居を動画化したり、お話しを元に演劇にする事も可能かと思いますので、興味のある方は足立さんとお話しをしてみてはいかがでしょうか?

取材後記

 地域活性化の為に歴史を元にコンテンツ制作をされるところは多いのですが、地元に残る民話を元に活動される方は少ない様に感じます。
 その土地に残る民話は単なるデータの引継ぎという訳ではなく、様々な経験やその時代における感情の揺れ動きを後世に残す優良な資料です。
 商品をヒットさせるにはまずストーリーが必要だと言われますが、その土地に伝わる民話から観光誘致につながるコンテンツがもっと現れても良いのではと私は考えます。

【足立 昇】
※ お電話いただければ、学校、老人施設、ちいさなグループ、どこでもボランティアでうかがいます。
お問い合わせ(TEL):090-5380-2033

投稿者プロフィール

清永秀樹
清永秀樹
クリエイティブパフォーマンスBAN/代表
さつま忍者研究会/代表
H26~H29 KADOKAWA Walker plus 鹿児島県地域編集長(最終役職)