下豊留です。
先日、姶良市加治木にある椋鳩十文学記念館に行ってきました。
『大造じいさんとガン』や『マヤの一生』などの代表作で知られる、児童文学作家の椋鳩十さんが、動物文学を書き始め、長くお住まいだった地が加治木です。
本名は、久保田彦穂さん。鹿児島県立図書館の館長も長くお勤めになり、推進した「母と子の20分間読書運動(親子読書運動)」は、全国に広まりました。

広い駐車場があります

記念館では、椋鳩十の書や原稿、取材ノート、愛用品、書斎の復元など見学することができます。
入口には動物の像がたくさんあり、入館前からワクワクします。

驚いたことは、スイス、デンマーク、中国、台湾、パキスタンなど、翻訳本が多く出版されていることです。
アメリカ版の訳と絵は、なんと八島太郎が手がけていました。知らなかったです。
八島太郎は、『からすたろう』が代表作の鹿児島出身の絵本作家です。
鹿児島県立博物館別館にある恐竜の化石の背景画が八島作です。

カンプトサウルスとアロサウルス

館内には、自由に本を読むことができるコーナーもありました。
アニメも見ることができるそうです。1日中楽しめそうです!

私は、椋鳩十が78歳の時に受けたインタビュー音声が心に残りました。
芸術選奨文部大臣賞を受賞された時のもので、
「こんなところ(鹿児島)に住んでいてもらえたことに二重の喜びがある、不細工で不器用な人間が50年創作活動ができた」
「自然と共に情緒が育まれる、自然の軽視と共に情緒がなくなる」
とお話されていて、お人柄が物語に表れているなと思いました。

鹿児島市にも、縁の場所があります。
まずは「うなぎの末よし」

「末よしや日本一のうなぎ食う」と絶賛されています。
うなぎの末吉の周辺は、昔は薩摩藩の天体観測所があったということで、入口には、宇宙に関する紹介がされています。

鹿児島県立図書館には、椋鳩十がGHQから守った本「追放図書」が保管されています。
軍国主義的な本は焼き払えと命令がありましたが、後世の人のためにと説得し、焼かれることなく守り抜いた本です。
ぜひお手にとられてみてください。
鹿児島県立図書館 – 鹿児島県立図書館・奄美図書館 (pref.kagoshima.jp)

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鹿児島県立図書館の近くにある、かごしま近代文学館の常設展示でも紹介されています。
他にも、海音寺潮五郎や島尾敏夫、向田邦子など、鹿児島に縁のある作家の展示も充実していますので、1度足を運んでいただきたい施設です。
近代文学館 施設案内 – かごしま近代文学館・かごしまメルヘン館 (k-kb.or.jp)

来年2025年は「椋鳩十生誕120年」の節目の年。
私も改めて椋作品を読みたいと思います!

姶良市/椋鳩十文学記念館 (aira.lg.jp)


投稿者プロフィール

下豊留 佳奈
下豊留 佳奈
オフィスいろは
下豊留佳奈(しもとよどめ かな)
鹿児島生まれの鹿児島育ち。
地元が元気になればと思いあれこれ活動しています。
共著に『鹿児島偉人カルタ55』(燦燦舎)
2021かごしまの新特産品コンクールで鹿児島県観光連盟会長賞を受賞しました。
第一工科大学と鹿児島第一医療リハビリ専門学校の非常勤講師
鹿児島県立図書館協議会委員
昔話と歩くことが好きです。