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銘水を使用した、手作り豆腐

豆腐はなぜ朝早くから作られる?
みなさんご存じでしょうか?
昔は保存料などなく、豆腐は日持ちしない、ましてや冷蔵庫がなく、その日に消費しなくては、腐ってしまうものでした。また、朝のお味噌汁の具材として食べられていた為、朝食時間に間に合うように、その時間に出来上がるように、朝から作られるようになりました。それが、今でも続いており、豆腐屋さんは朝から動いているのです。
現在は、冷蔵庫があり、一時的に保存ができ、保存料で若干は日持ちが可能になりましたが、美味しいお豆腐を求めて朝から購入される方もいらっしゃるようです。今回は、阿久根の銘水を使用した、阿久根市大川地区にあるお豆腐屋さんへ行ってきました。

徳永商店

暗い道を恐る恐る進んでいくと、ポツンと光る建物。朝5時に伺いましたが、すでに作業は始まってました。
「おはようございます。宜しくお願いします。」
「よー来たねー」っと笑いながら気さくに話しをしてくれました。
阿久根市大川地区、昔は、豆腐屋さんも、8軒ほどあったそうです。でも現在は、徳永商店のみ。店主に、後継者は?「もー大変だからいいの。後継ぎは」っと。残したいもの。コト。文化。時代の変化と言えども、残してほしい人にとっては、寂しいですね。
そんな話をしている最中でも、手を止めずに作業をしている店主。大豆を粉砕したあとの、生呉(ナマゴ)を焦がさないよう、リズミカルにかき混ぜ、黙々と作業を進めてました。

長年培った経験での、手の感覚を頼りに、生呉をかき混ぜる。豆乳ができるまでのタイミング、経験を積まないと、「今」という美味しい物を作り出す工程は難しいと感じました。
現代社会、人手不足。何するにも機械化になっていく世の中。その町の文化や伝統、職人さんは「こだわり」を持って受け継がれる技、伝統を守っていると思います。
ここ、徳永商店も、豆腐の柔らかさに「こだわり」を持ち、時には❝にがり❞が少なく、手間暇かけ作り上げた豆腐が最終工程で崩れた事もあったそうです。
美味しい「タイミング」と「こだわり」は、機械では出せない「味」や「味が出る」物へと変化していくのでしょう。
でも、後継者は・・・今のところいない(つくらない)のが現状です。

大川地区の豆腐事情

なぜ、大川地区に豆腐屋が8軒もあったのか?
豆腐作りには欠かせない水。その大事な水。湧き水が阿久根市にもあるんですよ。大川地区に流れる尻無川上流にある、平出石の水。水は対岸の山中から引かれているそうです。生活には欠かせない水、地区の生活水となっており、この水汲み場は、地元の方が維持管理されています。

湧き水横に流れる川、尻無川。この川を挟んで川向の深山に1回も地表に現れることなく、岩盤からとうとうと湧き出る水源があります。それが石清水の❝平出石の水❞なんです。明治10年西南戦争に駆り出された村人が腹痛と下痢にみまわれ、ここの水を飲み治ったという伝説があります。この頃に村人たちは水飲み場を作ったとされてます。当時は川向に道があり、そこに飲み場があったそうですが、大正時代初期に村道ができ、竹を割りつぎ、現在の場所に飲み場を設置したそうです。
尻無川上流は、透明度も高く、キーンと冷えた水、豆腐作りには最適な水があったから、豆腐屋が多くあったのでしょうね。そして、この川には、手長エビ、山太郎蟹も生息しています。それだけ綺麗で栄養がある水という事ですね。私も夏の暑い日には避暑地として、よく遊びに行く場所です。
一度、甘くて口当たりが柔らかい、阿久根の湧き水平出石の水を味わに行ってみて下さいね!

徳永商店前に流れる尻無川

場所は、👇👇👇こちらから

https://www.google.co.jp/maps/place/%E5%B9%B3%E5%87%BA%E7%9F%B3%E3%81%AE%E6%B0%B4/@31.9394004,130.2459403,20.5z/data=!4m5!3m4!1s0x353e35a0007ca97f:0xbb4058d86bf52929!8m2!3d31.93932!4d130.2461834?hl=ja

豆腐作り見学

さて、本題の豆腐作り見学。
昔は、大豆を石うすで引いてましたが、時代の変化で機械化になりましたが、ここの豆摺機、かなり年期がはいってました。
何年物かを尋ねても、正確な答えは出てこず。でも50年~60年は使用しているそうです。使用後は、キレイに磨いて、丁寧に扱われてました。大事な道具のひとつですからね。
大豆を豆摺機にかけ、その大豆(生呉)を釜で炊いていきます。この炊く際の水も平出石の水。
コトコト炊いていくと、白くなり、泡がブクブク出てきました。焦がさないよう、棒でかき混ぜ噴出さないように、見張り、人の手で作られる物。機械とは違い、一つ一つ手作業をし、目が離せません。
そして、豆乳ができあがり。店主のお母さんは、毎日豆乳を飲んでるそうです。豆乳ができ、大豆の粕、おからを取り、にがりを入れる。にがりの配分で、豆腐の硬さが決まる。にがりを一気に入れても硬さが変わる。豆乳をかき混ぜながら、タイミングと手の感覚で、にがりを少しずつ入れていく。ひとつひとつ丁寧に作業されてました。
おからは、豆腐を購入された方にサービスで渡していると。大豆って、捨てるとこナシですね。


ご近所さんや、常連さんから、「柔らかい豆腐が食べたい」と言われ、どこまで柔らかく出来るのかやってみたそうです。でも、当日の湿度や気温でも変わってくるから、難しい。固まったように見えても、最終工程で崩れてしまったり、何回も失敗した。っと。
豆腐って、繊細なんですね。
そんな話をしているところで、美味しい時の、出来立ておぼろ豆腐をついでくれました。

おにぎりも頂き、最高な朝食。
出来立てのおぼろ豆腐。温かく、口の中でとろけ、甘みが強い。しょうゆいらずで、めちゃくちゃウマイ!こんなに豆腐って美味しかったっけ?と思うほどウマイ!贅沢な朝食を、ご馳走様でした!
店主も、「固まり始めた時の、おぼろ豆腐が一番美味しいんだよね~」っと。お豆腐屋さんの店主が言うんだから、これが最高な食べ方でした。
食べてる最中も作業をしている店主。
そして、プルンプルンの豆腐が完成。今にも崩れそうな柔らかさ。
朝5時前から作り出し、完成7時半。出来上がったのは24丁の豆腐。貴重な手作り豆腐ですね。
予約を受けすぎると、お店での販売数が減るので、あまり予約は受けない。だとか。いろんな方に美味しい豆腐を食べて欲しいので。
手仕事だと、数に限りがある。約3時間かけ24丁の豆腐。土日は、もっと多くの数を作るので、夜中からの作業開始だそう。そうなると後継者も、、、考えますよね。大変だから、後継者はいいの。意味が分かった気がします。でも、難しいですね。大川地区、唯一残っている豆腐屋さん。残したい物が沢山ある中で、日本の文化。手作り豆腐。いつまでこの光景が観れるのか、時間の問題なような。

この徳永商店の豆腐を購入できる場所は
産直まるじゅ阿久根店👇

https://www.instagram.com/maruju_marche/

野菜や、加工品、お弁当の販売もしてますよ。ドライブの休憩にも、お立ち寄りください!

投稿者プロフィール

阿久根市地域おこし協力隊
阿久根市地域おこし協力隊
阿久根市地域おこし協力隊、中原 雅です。
阿久根の魅力、情報、穴場スポットなど、さまざまなジャンルで発信していきたいと思います。